北山:元々は実家の近くの精神科病院で勤務していました。
結婚をきっかけに東京の精神科病院を検討する中で、根岸病院に見学に訪れました。すると、患者さんが庭に出てベンチに座ったり、近くに買い物に出ていたりする光景に出会いました。しかも、皆さんとても楽しそうな良い表情をされていたんです。
前職の病院は結構古い形の病院で、患者さんは外に出ないことが当然だと思っていたので、正直びっくりしました。でも、これが根岸では当たり前の光景だと知って、その開放的な雰囲気に惹かれ、入職を決めました。
森田:私は吉祥寺にある精神科で働いていましたが、結婚をし、子供が生まれたことで、より働きやすい勤務先への転職を決意しました。
根岸病院に決めたのは、完全週休2日制で休みをしっかり取れることが最大の理由ですね。仕事はもちろん、家族との関わりを大事にしたいという思いが強かった自分にとって、休日が多ければその分家族と一緒にいられる時間を多く取れるわけで、根岸病院の勤務スタイルに魅力を感じました。妻もすごく喜んでくれて、3年前に入職しました。
望月:私は以前、一般科の総合病院で勤務していました。
そこで感じたのは、医療行為自体は多いが、人として係わっていくという観点では難しいなというところです。特にICUでは8時間しかその患者さんと係われない。次の日にはリカバリールームへ移っていく。もっと患者さん一人ひとりとじっくり向き合ってみたいと思い、精神科の看護へ進んでみようと思いました。
ここでは雰囲気がとても明るかったことと、時間の流れがゆったりしているなと感じ、今まで気忙しく動いていた私にとって、ここなら思い描く看護が出来るんじゃないかなと思いました。
北山:私が担当しているのは、亜急性期の閉鎖病棟の患者さんです。
急性期を脱したけど、でも開放病棟に行くほどのレベルではない方が対象で、長期で入院されている方が多いのが特徴です。つまり、精神状態はかなり安定しているんですが、開放病棟に行ってしまうと悪くなってしまう。憎悪を繰り返していて長く何年もいる、そんな患者さんが多いんです。
まず開放病棟に移ることを目標に、一緒に散歩に出る外出訓練や、生活全般の介助をしたりする中で、それが実って患者さんが開放病棟に上がってくれるのが嬉しいですね。精神科の患者さんは、私たち看護師がきちんと向き合うことで患者さんの精神状態が良くなることが多い。やはり信頼関係を築くことが大事で、症状が悪くなった時にそばにいて話をすることで、薬を飲むだけでなく看護師と接することで症状が良くなっていくことがあります。薬ではなく看護師と接することで患者さんが落ち着き、症状が良くなった時に良かったなと思いますね。
森田:私は急性期の閉鎖病棟の患者さんを担当しています。入退院の出入りが多く、入院退院を見やすいことが特徴です。だからこそ、私たち看護師の役割がとても重要だと感じています。入院に対する不安。退院する際の不安。患者さんの抱く不安はそれぞれ違うわけです。 興奮されている時、また逆に気持ちが沈んでいる時に薬だけでなく、いかに私たちが寄り添ってあげられるか。自分がどうアプローチするかがとても重要で、その一つ一つが勉強になり、 やりがいになります。そして、患者さんの状態が安定し、保護室から大部屋に移る時、喜んでくれる姿を見ると、とても嬉しくなります。
望月:私は社会復帰療養病棟の患者さんを担当しています。一緒に退院を目指して、社会に出た時の日常生活で生活しにくいところ、苦手なところに対してどうしたら良いか その患者さんに合ったやり方を考えながら取り組んでいます。
例えば、身の回りの整頓が大変な患者さんには一緒に片付けをしたり、お薬を何で飲まなければいけないかの話し合いをしたり。自立はされているが、退院を目指す時にやりにくいことなどを話し合い、患者さんの前向きさを育んでいく看護を行っています。
先日、60歳位の患者さんが退院し、初めての1人暮らしを始めたんです。若い時に入院し、30年経過していたその患者さんを担当していたのですが、遂に退院され、その後訪問看護で住まいに訪問した際に、すごく楽しそうに、今までやりたかったことをしているんですね。その方は1人で黙々と勉強することが好きな人で、入院時は病室に篭って床頭台(しょうとうだい)で難しい本を読んだりしていたんですが、今は大きな書斎テーブルを買って勉強して楽しく暮らしているんです。週数回作業療法のため来院され、社会に出てやれてることを報告してくれるのがすごい嬉しいなって感じます。
北山:仕事を通じてモチベーションを上げるのには、ちょっとした変化を感じ取ることが大事だと思います。
例えば、今日はちょっと床頭台が綺麗だ。患者さんが自身で洗濯をしようという意欲が見えた、とか。そういった一つ一つを自分と患者さんの喜びにしていくことが大切ですね。そして、一番元気になれるのは、家に帰って、そして休みの日に子供たちと過ごすことですね。
根岸では有給休暇をしっかり取れるので、平日に取得して子供たちが保育園に行っている間に1人の時間を持つことも出来て、とても良いなと感じます。また、子供が3歳になるまでは、2時間早く帰らせてもらえるので、家事も仕事も出来て、どちらもストレスをためることがないんです。やはり、気持ちの余裕があってこそ、患者さんとしっかり接することができるんだと思います。
森田:仕事に関しては、急性期なので、患者さんの状態の良し悪しに振り回されてしまうと自分も疲れてしまいます。一喜一憂ではなく、もっと先を見ていかないと、その場だけを見てしまうと駄目だと感じます。先のことまで考えて患者さんと係わっていかないと。
仕事のストレス発散のためにも、休みが多くあるのは良いですね。子供とのかかわりもしっかり持てて、プライベートがとても充実できます。また、同僚の男性スタッフが子持ちばかりで、分かり合えてお互いを尊重できる点でも、とても働きやすい職場だなと思っています。
望月:どうしても看護師は真面目なので担当看護師が1人で抱え込んで大変になってしまうケースが多いと思います。そんな時、きちんとしたカンファという場でなくても看護師同士でその患者さんに対する話ができる雰囲気がある根岸は良いなと。
一般病院だと目標もはっきりするし、答えがはっきりわかるが、精神科の場合、こうしたほうが良いんだけどこの人の場合は違うとか、やり方も色々あったり、患者さんに対する見方もスタッフそれぞれで違ったりするので、みんなで話しをしたり、愚痴を言い合ったりしながらモチベーションを上げていく風土がありますね。精神科の患者さんは、良くなって悪くなっての繰り返しだったりするので、普段の会話で話し合いをして、やり方を考えたり、お互いに意見交換できる環境が必要で、それが根岸にはあるんです。
仲間・チームで動くことがモチベーションUPにつながると感じます。