小林:認知症の急性期病棟にいます。急性期だけに入院期間を決め、次の転院先を見付けることも重要な仕事です。認知症は根治が難しいですが、一生入院できる病院はありません。ご家族も大変なので当院に長く入院していただきたいのですが、ほかにお困りの方もいらっしゃいますしね。急性期病棟ですから、ご家庭や老人保健施設などで看られなくなった方ばかりです。患者さんの症状は重いこともあり、時には行動を制限せざるを得ないこともあります。また、ご家族に病気を理解していただくことも容易ではありません。急性期の入院期間3力月はあっという間で、症状が落ち着くと同時に転院先の確保に向けて動いていかないと、転院先を見付けることが困難になります。
豊田:以前は男女混合の急性期病棟にいましたが、現在は女性患者さんだけの慢性期の閉鎖病棟で働いています。病棟のカラーは大きく異なりますね。主観かもしれませんが、精神疾患を持っているからこそ、男女混合の方が理性を保てるようです。女性同士ですと、看護師も女性が多いので気軽に話せたり、打ちとけやすかったりといったいい面もあります。男性スタッフはやりにくい面もあるようですが、患者さんにとってはそれも刺激なんですね。でも、女性同士ならではの問題もあり、患者さんの日々のストレスをどう緩和し、穏やかで安全、安楽な療養生活をどう送っていただくかは課題となっています。
足立:社会復帰のための男女混合病棟で働いています。メインは退院支援ですね。
荻原:認知症の慢性期病棟で、寝たきりの患者さんのケアが中心です。食事や排泄など、患者さんの生命に関わる仕事で、急変などもありますから身体的には大変です。