vol.160社会医療法人 友愛会 南部病院
平成26年9月1日より、南部病院院長に就任しました城間です。宜しくお願いします。
医療界は、少子高齢化の荒波が押し寄せ、特に団塊の世代の高齢化に伴い、医療費全体の増加が現れています。それに伴い国は、適正な医療供給体制について模索し、次から次へと新しい制度を導入しています。現場の我々としては、制度の変更に翻弄されながらも、自分たちが目指す医療を常に念頭に置きながら、新しい制度へどのように対応するか、議論が絶えない現状です。その様な中、南部病院の進むべき道も、国の医療供給体制に合わせた転向が必要となります。今回、私が院長として赴任した大きな理由の一つは、南部病院で外科手術を行う方向へ、大きく舵を切る事です。その理由は、友愛会として南部地区の地域医療に貢献するため、豊見城中央病院と南部病院の機能分担が必要とされるからです。豊見城中央病院は重度な疾患や外傷を担う高度急性期医療、南部病院は一般急性期ないし緩和医療を行う体制を構築し、友愛会が南部地区で様々な疾患や病状に対応できる体制を整えます。もちろん、一つの病院で、全てに対応できることが望ましいのですが、それは不可能です。
これまで南部病院は、沖縄の都心である那覇から遠いという状況でしたが、新しい道路と橋の構築で、非常に近くなりました。まだ、橋は工事中のところが多く、全貌は現れていないのですが、きっと沖縄の中でも非常に美しい湾岸道路と言われるようになると思います。豊崎から西崎にかけてはアウトレットあしびなーや与根漁港、糸満漁港を渡る時には、旧糸満市街が一望に見え、潮崎の糸満市庁舎、その奥には水平線はるかに太平洋が望めます。夕暮れ時には、沈みかける夕日の中に、慶良間の島々がくっきり浮かびあがり最高の風景です。何より一番感動していることは、那覇から南部病院に向けてこの道路・橋を渡り、糸満漁港の辺りから南部病院が道の真正面に浮かび上がってくることです。まるでこの道は南部病院のために作られたかのような錯覚を覚えるほど、真正面に位置しています。せっかくこのような素晴らしい立地条件にしてもらえていますので、糸満市の総合病院という意味でも、南部病院が地域住民の期待に答えられるような医療を提供できるよう頑張って行きたいと考えております。これからも宜しくお願い申し上げます。
~自分が受けたい援助を患者様へ提供する~
専門職業人として常に看護の本質を追究し、
科学的・創造的・主体的に実践できる有能な人材の育成をめざす
中学のときに友人のおじさんが入院し、そのお見舞いに行ったのがきっかけです。7人兄弟の長女でしたから、手に職をつけ、家庭の助けになりたかったからというのもありますね。
人と関わることが好きだからでしょうか。私は子どもが4人いるのですが、子どもたちから「お母さんは働いているときが一番楽しそうだ」と言われてきたことも続けてこられた理由のような気がします。それから生活のためですね(笑)。夫が働いていた会社が倒産したこともあり、子どもたちから「お母さんは大黒柱ではなく、一家の一本柱だ」とも言われていました。しかし、そういったことだけではなく、看護師は患者さんや職員など、色々な人と関わっていく中で自分を高められる職業だということも大きかったです。
思いやりを持ち、相手の気持ちに寄り添うというのが私の看護観です。患者さんは病気や障害を体験しながら、その人なりに生きようとして、色々な思いを抱きながら生活しています。その人たちを一人一人理解していくこと、それに少しでも自分の看護ができればという思いがありました。
南部病院は沖縄本島最南端に位置し、広々とした敷地に緑豊かな木々や花が一杯の病院です。病院の西側からは海が一望でき、自然豊かな環境が自慢です。病院の建屋、外周を囲むように作られた遊歩道には春になると桜が満開になるんですよ。リハビリを兼ねた散歩を楽しむ患者さんや職員の姿もあり、癒しのときが流れています。地域を支える病院として、回復期リハビリテーション、生活習慣病、緩和医療、在宅医療の4本柱で取り組んでいます。
ワーク・ライフ・バランスに関してはかなり前から取り組むなど、制度に対する対応は柔軟です。互助会の福利厚生も充実しており、47種類のクラブ活動があるんですよ。趣味を活かして、楽しんでいただけると思います。寮も完備していますので、県外からの職員は2年間、寮に入ることができます。
住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるように、医療、介護、予防、住まい、生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を図っていくべく、地域包括ケア病棟が開設されました。今後は地域の方々ができるだけ在宅で過ごして、何かあれば入院ができる、連携した支援の構築を目指しています。
看護部の理念は「自分が受けたい援助を患者さんに提供する」ということですので、患者さんにとって何が必要かを常に考え、「看護の知識や技術」だけでなく、感性を磨き、「心」のこもった、思いやりのある看護の実践を目指しています。当院の看護部理念に共感していただける方と一緒に働けたらと思っています。
看護師としての活動の範囲はかなり広く、色々な意味で自己成長できる職業でしょう。私たちのように地域で働く看護師もいれば、行政や教育に携わっている看護師もいます。自分に合った環境を選ぶことができますので、自己実現を目指す看護師になっていただきたいです。当院は教育プログラムも充実していますし、学習環境も整えています。働きやすい環境を整備していますし、何より職種を超えた職員の絆が強いんです。スタッフ一同、皆さんとともに働けることをお待ちしています。
金城:私は大阪出身なのですが、結婚を機に沖縄に来ました。夫が糸満市出身なので、糸満市などの県南部の病院を探したんです。南部病院に決めた理由は看護部長さんと師長さんとの面接ですね。印象がとても良くて、この二人の下で働きたいと思いました。実はほかの病院の面接にも行くことになっていたのですが、その前に南部病院に決めました。
田中:私は鹿児島出身ですが、就職したのが兵庫県なので、関西人の怖さとノリの良さはよく分かっています。そのときに知り合った彼が沖縄出身で、「ついてきて」と言われたので、沖縄で働くことにしました。鹿児島出身なのに、沖縄には行ったことがなく、少し戸惑いがあったのですが、一度、遊びに行ってみたら、沖縄の人は本当に優しくて、怒らないんです(笑)。これなら、私も働けると思いましたね。南部病院は派遣会社からの紹介で知りました。派遣会社の人に「この病院、すごくいいですよ」と言われて、面接に来ました。その日のうちに入職が決まり、すぐに制服もいただいたんです。いつの間にか決まった就職でした。
金城:師長さんが各病棟を案内してくれました。私は回復期リハビリテーション病棟に配属されることになっていました。もともと興味のある病棟でしたが、実際の様子を全く知らなかったので、見学できて良かったですね。病棟内のリハビリ施設や病棟から見える海が綺麗だったことが印象に残っています。スタッフの印象もとても良かったです。
田中:迷路でした(笑)。ちょうど建て直しのときだったので、入口がどこかも分からず、受付のスタッフに尋ねたんです。そうしたら、その受付スタッフが優しくて、病棟まで案内してくれたんですよ。今もよく声がかかりますし、優しくしてもらっています。
金城:見学に来たときと実際に働いてからも同じ雰囲気ですし、イメージ通りです。以前、働いていた大阪の病院とは患者さんが違いますね(笑)。沖縄の患者さんはゆっくりされています。言葉については方言を教えて頂いています。
田中:最初は回復期というイメージがよく分からなかったんです。私は看護師の仕事のイメージは忙しく、せわしなくて、患者さんと接する時間もないというものでした。しかし、実際は違いましたね。患者さんと一対一で、しっかり話ができ、一人一人にきちんとケアもできています。こういう看護があるのだと気づきました。兵庫県で看護師をしていたときは慢性期病棟でしたが、ばたばたと点滴をしたり、業務というか、流れ作業のような面があったんです。患者さんを看ていない気がして、新人ながら違和感がありました。今は患者さん第一で、ゆっくりと話もしていますし、これが看護師の仕事だと実感しています。未熟ですが、沖縄で初めて看護師になれたのかもしれません(笑)。
金城:回復期リハビリ病棟に勤務していますので、患者さんがご自宅へ帰るまでの日常生活の援助や看護、在宅でも困らないような看護をスタッフ皆で考えながら行っています。他職種との関わりも多いですね。患者さんがご自宅に帰る前にはスタッフが実際にご自宅に伺います。リハビリのスタッフがメインで行くのですが、看護師も同行し、段差、2階、お風呂、車椅子が入るかなどを見て、生活ができるかどうかをチェックするんです。患者さんが病院にいる間だけではなく、退院後のこともきちんと考える病棟です。
金城:入院してきた患者さんの中で、特に半身麻痺の方だと、はじめは車椅子で移動するのにも介助が必要なのですが、そんな方が歩いて帰れるレベルにまで到達すると、本当に嬉しいですし、良かったなと思います。
田中:人との関わりです。笑顔になっていく患者さんを見るのがとても幸せですね。患者さんが悲しい顔をしていたら、私も悲しくなりますが、この患者さんにとって、どうすればいいのかを考え、プラスの状態になれば、やって良かったと感じます。この患者さんのために何をするべきかということをよく考えるようになりました。他職種のスタッフを交えて話し合う機会も多く、ご家族を含めたカンファレンスもあります。話し合いのあとで、患者さんに必要な看護をして、理想以上の成果が出たら嬉しいです。
金城:雰囲気はとても良いです。リハビリ病棟だからか、師長を筆頭にスタッフは賑やかなことが好きなんですよ。クリスマス会や敬老会など、病棟でのイベントも色々とあります。それとは別のスタッフだけの飲み会もあり、団結していますね(笑)。これまで働いてきた中で、今の病棟が一番好きです。患者さんもそうですし、スタッフのまとまりもいいです。看護師、介護士、リハビリスタッフといった職種を超えて、皆で仲良く仕事をしています。
田中:楽しくて、いい職場です。イベントも楽しいですね。病棟の皆さんとは6月に運動会も行いました。
金城:でも、どのイベントも患者さんよりスタッフの方が本気です(笑)。余興は何週間も前から準備しますね。休みの日も出てきて、練習します。
田中:さすがにスタッフの家族は来ませんが、患者さんがメインですので、患者さんのお孫さんなどのご家族はいらっしゃいます。今度はクリスマス会があります。また、今は私服週間なんです。患者さんは病衣を脱ぎ、私服を着て、お化粧もしてという取り組みをしています。これもご自宅に帰ってからの生活に繋げるためです。
金城:中途採用なので、少しフォローが入ったぐらいです。約1年位ですが、看護協会の研修にも行きました。そのほかはラダーですね。年間計画があり、経験年数に応じた研修が段階別に企画されているので、その研修を受けました。また、パソコンを使って、自宅で勉強できるe-ラーニングもあります。
金城:新人はまず一般病棟に配属されます。半年間を一般病棟で、残りの半年間を回復期リハビリテーション病棟や地域包括ケア病棟などの特殊な病棟でローテーション研修させるという1年を過ごします。ほかに、そのときどきに応じた研修が行われています。
高良看護部長:夜勤の研修はないですが、新人に関して言えば、1回、2回は夜勤の体験的な研修があります。回復期リハビリテーション病棟では看護師2人、介護士2人の体制で夜勤しますが、新人看護師には精神的な負担がありますから、介護職の1人として入ってもらっています。
金城:回復期リハビリテーション病棟ですから、看護以外のリハビリの状況が勉強になっています。リハビリスタッフがリハビリをしているところをずっと見ていますので、「こういうときはこういう動きの方がいいんだ」など、リハビリの視点を持てるようになってきました。リハビリスタッフは患者さんをうまく立たせたり、移乗させるコツをよく知っていますし、分からないことを聞けば、すぐに教えてくれます。飲み込みの悪い患者さんにはどういう角度がいいのかといったアドバイスも勉強になりますね。
田中:プリセプター委員会に入り、新人の指導を始めました。南部病院では新人に対して、一人の指導者がつく制度があるのですが、その指導者になったんです。委員会は指導というよりはお世話役や話し相手に近い感じですが、新人教育は勉強になりますね。聞かれたことに答えるためには私も勉強しなければいけないと痛感しています。また、一次救命処置のBLSの委員会にも入っています。看護師になった頃はこれで人の命をばりばり救えるのだと思っていましたが、実際は全くできていません。でも、心臓マッサージや人工呼吸の訓練を学び、実践に活かしています。こういったものは経験や練習をしていないと、できないですね。入院している患者さんは色々な疾患を持っていますし、何があるか分かりませんから、緊急時の対応ができるように全職員がBLSの講習を受けています。「回復期はそんなことをしなくていいんじゃないの」と思われているかもしれませんが、「やるときはやるよ」という気持ちを持っています(笑)。
金城:夏休みもありますし、希望休暇や有給休暇の希望も通りやすいので、ストレスがありません(笑)。師長さんがよく考えてくださっています。沖縄県内のホテルに1泊、安く泊まれたり、泊まれない場合は好きなホテルの食事券をいただけます。また、互助会のホテルのランチが無料なんです(笑)。バーベキューなど、イベントも多いですね。誕生月には、売店で使える1000円分の商品券、又は、院内のカフェの1000円分のチケットのプレゼントもあります。
田中:お休みは多いですね。連休などもいただいていますので、2カ月に1回は鹿児島に帰省したりしています(笑)。
金城:私はお笑いが大好きなんです(笑)。将来的にはお笑いを取り入れた看護をやってみたいと思っています。
田中:BLS委員会にも入りましたし、一次救命のインストラクターなど、色々な資格を取得したいです。
金城:南部病院は海が見えて、綺麗です。自然に囲まれていて、スタッフがとても優しいですね。県外からも是非ウェルカムという感じです。ホテルにも泊まれますし、ホテルのランチも楽しめます(笑)。働くにあたって一番、気になることはスタッフの人間関係だと思います。どんなに大変な仕事でも人間関係が良ければ頑張れますので、その点は非常にいい病院です。
田中:県外出身のスタッフが多いですし、沖縄といえばリゾートという良いイメージがありますが、本当にその通りです。遊びに来る感覚で来てほしいですね。誰も拒否しないですし、とてもウェルカムな雰囲気です。
vol.160社会医療法人 友愛会 南部病院