第44回 ナースは見た / 医療現場の裏側!?

第44回  不思議な治療

世の中には、摩訶不思議で何とも理解し難い治療を行っている病院があります。
私がバイト先に選んでいた病院がコレに当てはまるのですが。

褥創と言えば、医療関係者なら一度は目にした事が有るのではないかと思います。
中には、
「とんでもない!
褥創なんて作ったら病院の恥!
ウチの病院で見たことなんて無い!」

と、おっしゃる方もいらっしゃるかも知れません。
その通り。
褥創は医療従事者の怠慢の証なんて呼び方をされ、そんなもの作ろうモンなら病棟ごと病院中の晒し者にされていました。
…私が過去に働いていた病院では。
そんな褥創を、ボコボコと入院患者の半数近くに発生させていたのが我がバイト先の病院です。
更には褥創患者の半数がポケット形成まで伴っている状態。
恥を晒し歩いてるのと同じです。
まぁそれも仕方有りません。

体位変換は除・減圧なんて一切無視。
患者の寝衣がしわくちゃでも無視。
便尿でシーツまで汚染されていても数時間放置はザラ。
清拭はどの患者も週に一度のみ。
おまけに褥創が出来ると看護師が勝手に判断して「ゲンタシン軟膏塗っといて」、等と言い出す始末。

これじゃ褥創作るなと言う方が無理な話です。

そんなバイト先でのある晩の出来事。
夜中排便された患者さんのオムツ交換の際に、褥創部の汚染が無いかチェックをしました。
その方は仙骨に深いポケット形成を伴う褥創が発生していました。
創部を洗浄し、閉創しようとしたところ有らぬモノが目に入って来ました。
輪ゴムです。
褥創のポケットに輪ゴムが入り込んでいるのです。

「わ、危ないな!
誰が輪ゴムなんか落としたんだよ!」

と、一人愚痴りながらセッシで輪ゴムをつまんでソーッと取り出そうとしました。 しかし、取れません。
何故なら褥創に輪ゴムが縫い付けられていたから。
初めて目にする光景に、私は軽くパニック。

何故褥創に輪ゴムが?

仕事終わりにソッコーで友人看護師達に聞いてみても、
「聞いたこともないわ、ソンナモン。」
と、当然の様に一蹴され。
本を読んでも記載は無く。
バイト先の同じ先輩アルバイトナースに聞いてみると、
「あれね…、私も怖くて聞けてないんだよね…。
先生にもここの看護師にも。」
と、言われ。

輪ゴムの弾力で褥創を閉じようとしてるのか?
いやいや、輪ゴムを一ヶ所だけ適当に縫い付けてるだけだから、それじゃ意味を成さないだろ?
とか、私なりに色々考えてみました。
考えてみましたが、解るはずもなく。
本当に謎なまま、私のバイト期間は終了し病院からはサヨナラした訳ですが…。

先日、何の気なしにネットで検索をかけてみました。
すると、何とヒットしたではありませんか!
某大手質問サイトで!

「Q、褥瘡でポケットができて、輪ゴムで止める術は何といいますか?
また、どんな効果がありますか?

A1、なんですか?それは?

A2、(一部略)DrやNsに至急相談してください。

因みに相談者は私(筆者)ではありません。
私のバイト先の病院関係者なのか…。
患者家族なのか。
はたまた別ルートか…。

いずれにせよ、ウチの様に医者と看護師が良かれと思って行っている場合、一体何処に相談すれば良いのか皆目検討が付きませんね。

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