第30回 ナースは見た / 医療現場の裏側!?

第30回  インフルエンザに踊らされて

私は結婚してからも、病棟で夜勤ありの仕事をしていましたが、
旦那と顔を合わせない日もあり、まさにすれ違いになっていました。
私自身もゆっくりした生活をしたい、でも収入がなくなるのは寂しいということで転職し、
今は近所の内科系クリニックでパートとして働いています。

働いて2ヶ月が過ぎ、クリニックの大変さを痛感している今日この頃です(笑)

ある日の尿検査、いつものように尿試験紙を入れたのですが、何の反応もない。

見た目は透明!!匂いを嗅いでみると無臭!!
んっ??なんで??
もう一度じっくり中を見てみると「水」だったのです(笑)

「お水を何故入れたのですか?」と患者さんに優しく聞いてみると、
「糖尿病を食事療法と投薬でコントロールしているのに、
昨日はまんじゅうを5個食べたから、結果が悪いとまた食事指導をされると思って水を入れました」だってさ~!!

採血もしているし、ばれるから最初から素直に言えばいいのにね~!
もちろんドクターから食事療法の大切さを長々と言われていました。
この患者さん、保険証を見ると誰もが知っている企業にお勤めの50歳の男性です。(笑)

今はインフルエンザ関連で毎日振りまわされています。
ある日、発熱の幼稚園児が受診しました。検査の結果インフルエンザと診断されたら、
母親が急に「既往歴が無くても重症化しているとニュースで見たけど、うちの子は大丈夫か?」と泣きだしたのです。

そのまま帰すわけにも行かないし、診察は混んでいるし別室に移ってもらいました。
母親は興奮してインフルエンザと関係ないことを話していましたが、
私が根気よく話を聞いたのでスッキリしたらしく、何事もなかったように帰って行きました。
診察室に戻ると仕事が溜まっていて、泣きたいのは私の方でした。

何より驚いたのは、季節性インフルエンザの予防接種の初日です。
インフルエンザ患者との接触を防ぐため、午前診と午後診の間の時間を使って予防接種しようと言うことになっていました。
ワクチンの入荷も少ないから、予約制にしているのに100人ぐらいの行列が出来ていました。
クリニック周辺が大騒ぎになり、ご近所から苦情は来るし、悲惨な1日でした。

予防注射って並んでするもの??
早くしたら何かいいことあるの??と
心の中で吠えながら、流れ作業のようにインフルエンザワクチンを吸った注射器をひたすら用意しました。

新型インフルエンザの予防接種も始まるし、インフルエンザという言葉に拒否反応を起こしそうな私。
この冬を乗り切れるだろうか。。。

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