第27回 ナースは見た / 医療現場の裏側!?

第27回  パターンは絶対に変えません!

先週退院したとっても個性的な2人の患者さんの話を聞いて欲しいのです。

S病院から紹介状が届いたのです。このS病院は精神科がメインの病院です。
半年ぐらい前にも、S病院の患者さんを受け入れて大騒ぎになりました。
この時は、いきなり怒り出す患者さんで病棟がパニックになったのです。ちょっと嫌な予感あり!

今回は紹介状によると、廊下で入院患者同士がぶつかり転倒し歩行困難と書いてありました。
で、ぶつかった2人とも大腿骨頚部骨折と診断され
オペ目的の入院になったのです。偶然重なりすぎでしょ(笑) まさにミラクル!

入院初日から???の連続ですよ。
まずはKさん。目を閉じたまま、何を聞いても無視です。絶対に話してくれません。
入院してきた時に声は聞きました。この時話していたのは、S病院から付き添ってきた看護師さんでした。
唯一「お食事なのでベット起こしますよ」という言葉に反応して、目を開けてガッツリご飯を食べます。
食後の薬は必ず一度飲んだふりをします←この時のちゃんと「ゴックン」と喉を鳴らします。
表情は苦そうな演技しています(笑)
しかし、手に薬を持ったままなのでバレバレです。
もう一度「お薬飲んでください。」というとちゃんと服薬します。
で自分から口を「あ~ん」とあけて見せてくれます。これはお決まりのパターンです。
結局、Kさんは一言も話さず、退院する時に目を開けて笑顔で手を振って帰って行きました(笑)

もう一人のHさんは、ちゃんと受け答えもしてくれるし、素直な患者さんですが
Hさんにもお決まりのパターンがあるのです!

大腿骨頚部骨折なので痛みがあり立位が出来ないはずですが、
入院直後から訪室するたびに、ベット柵につかまって起立しています(笑)
「Hさん痛いでしょ?寝てくださいね」と声をかけるとベットに戻ります。
何より驚いたのが、オペ後6時間で起立していたことです!!
しかも、点滴・モニター・酸素マスクをキレイに着けています。チューブ類のねじれなし!
しかも寝衣の乱れ一切なし!

これぞ神業です。

まさか、流石にオペ後は起立しないだろう・・・と思っていた私は心臓が止まるくらい驚きました。
「Hさん、手術したから勝手に動かないでくださいね。痛いでしょ?」と声をかけたら
「はい、痛いです。寝ます」と返事がありましたが自力で動けない様子。
私も一人では移乗できないので、応援を呼んでベットに臥床してもらいました。
もちろん、起立はお決まりのパターンなので、退院するまで日に何度もしていました(笑)
Hさんの独自の起立リハビリ??のおかげで経過は順調でした→ほんとかよ??

Kさんの病室に行くたび私が独語状態になり、
Hさんの病室に行く前は、転倒していないか?と心配でハラハラしましたが
無事に2人そろって退院されてホッとしました。
色んな意味で勉強?になった患者さんでした。
2人には今後しっかり前を見て歩いてもらいたいと思います(笑)

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