第24回 ナースは見た / 医療現場の裏側!?

第24回  基本を教えて差し上げます

今からちょうど一年前、とても強烈なバトルに出会いました。

私はその頃、整形外科の外来で勤務をしていました。
水曜日は、外部の先生が担当の曜日でした。
いつも来ているA先生が、学会出張のため、代わりにS先生が診察することになりました。

このS先生、とんでもない奴でした。

腰痛で定期的に通院している患者さんが、
「ちょっと、風邪気味だから診てほしい」って言ったら、
いきなり「私は整形外科担当なので、風邪は診察できません。
お薬も出せないから内科に行ってくれ」と怒り出して
逆切れした患者さんも、「医者は医者だろ~」って怒鳴りだして、診察室でバトルが始まったのです。

私、クラクラして倒れそうになりました。患者さんのご意見ごもっとも!!
だって怒り出す所じゃないし、診察ぐらいしてもいいんじゃない!!と思いました。

バトルは両者一歩も譲らず収拾がつかない状態になり、患者さんを他の先生にまわしました。
私はS先生を、一緒に働きたくない先生として記憶しました。

なのに先週、私の前にS先生が現れたのです。
今度は病棟での再会です。私も2か月前から移動になり病棟勤務です。
M先生の代わりに、当直に来ていたのです。呪われた運命としか言えない(泣)

嫌な予感がしました、こんな日に限って急変です。

患者さんの部屋に入って来るなり、カルテを真剣に読みだして、
私が声をかけても「うるさい!」と怒鳴り、何も言いません。でカルテを読み終わったら、
ポケットから「当直医マニュアル」という本を取り出して熟読し始めました。[えっ~~!!]
私が脈の確認をもう一度しようとすると「勝手なことするな!!」と怒鳴り、
「何かあったら、医者の責任になるんだぞ!訴えられたら困るだろ!」って言い出し、
また本を読みだしたのです。[えっ~~!!いつまで読むのですか??]
流石に頭に来たので「何かある前に、死にます」って言ったら、
やっと当直医マニュアルを置いて患者さんの診察に入りました。

で今度は、反対のポケットから携帯を取り出し電話を始めました。[本日3回目のえっ~~!!です。]
先輩ドクターに、相談しているのです。ここまでされると、呆れて放心状態です。
さいわい、先輩ドクターの見事な指示で、患者さんは助かりました。

S先生へ、知っていると思いますが、念のため言わせていただきます。

1 当直医マニュアルは事前に読んで勉強し、ポケットには聴診器とペンライト入れておきましょう。
2 患者さんやナースに大声で怒鳴っても、何も解決しません。冷静な対応をしましょう。
3 先輩ドクターが電話に出られない場合の事も想定しておきましょう。

そしてS先生にお願い!
もう、うちの病院に来ないでください。私の前に現れないで~~!!もう無理です~!

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