第20回 ナースは見た / 医療現場の裏側!?

第20回 『とんでもドクター』

いきなりですが、聞いてください!!

私の勤務している病院に変なドクターが来ました。
まだ働きだして間もないので、詳しい情報はわかりませんが。。。
日々とんでもない事してくれます(笑)

40代後半・独身 見た目は優しそうなドクターです。
私の第一印象もバッチリでした。
患者さんの評判もすごくいいです。
ここがポイントです(笑)

ある日の外来で新患さんが来ました。
問診表に「カイロで火傷したみたいで、水ぶくれが出来ている」と書いてありました。

私が見ても貼るカイロのぐらいの大きさの水疱がありました。
80才代の患者さんだったので、治りが悪くなければいいな~!!と思いながら
診察介助していました。で患部を見たドクターが穏やかな優しい声で

「水いぼの大きいのが出来ていますね!!」と言ったんです。

ちょ・ちょ・ちょっと先生~!!問診表読みました???

火傷じゃないんですか?????水いぼ???
私の頭がパニックです。患者さんは疑いもなくドクターの説明を聞いています。
診察室を出るときに「優しい先生だし、説明もちゃんとしてくれて嬉しいわ~」と言って帰って行きました。

エッ~優しいだけでいいの~!!私あんな大きな水いぼ見た事ないですけど。。。

今度は水虫の患者さんが来ました。
いつも外来で爪切りをしています。
今回も爪切りをして投薬となりました。 爪切りが始まりました。

ドクターはいつものように、優しく患者さんに話しかけて診察室はとっても和やかなムードでした。
笑い声も聞こえたりしていました。

私が何気なく患者さんの爪を見ると、何と血だらけでではありませんか!!!

私は慌ててガーゼを渡しましたが先生は穏やかなままです。
しかも患者さんに「自分で爪切りしたら、傷が出来やすいし、ばい菌が入ると困りますから、爪が伸びてきたら来てくださいね~」と言っています。

先生!!!先生がしたのに血だらけですけど。。。。
これはいいのでしょうか???と患者に代わって私が心でツッコミいれました。
爪切りの後、消毒して包帯をぐるぐる巻きにされて帰って行きました。
この患者さんも「先生は痛くなくて優しい」と言いました。

巧みな話術。恐るべし!

外来ナースの間では、「ドクターが診断しているから、何も言わないけど」と言いながら、
「前は何処の病院で働いていたのか?」「もしかしてクビになったのでは?」
とあれこれ噂したりして盛り上がっています。
私はこのドクターが外来担当する月・水・金が来る度に、何故か祈るような気持ちでお仕事しています(笑)

教訓: 巧みな話術をもった優しいドクターには気を付けろ!です。

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