私が以前勤めていた個人病院の院長はとにかく変わった方でした。
病棟ではダンディで通っている院長なのですが、手術室ではまったく違った顔を見せる方なのです。
毎週2回の手術日があるのですが、全身麻酔の患者さんが眠るや否やいつも「アニメソング」のBGMを鳴らし、手術するのです。
自分が好きな曲になると一緒に歌いながら、かなりご機嫌です。
これぐらいならよく聞く話なのですが、ある日のやけどの皮膚移植の手術の日・・・
皮膚からの熱が放射させるのを防ぐ為、手術室は40度ぐらいに保たれていました。
院長の手術に同席していた新人医師が「今日は僕が選曲します」と流した曲が、なんと「ハワイアン」・・・
ただでさえ、暑いのにより蒸し暑く感じたからでしょうか、手術終了後院長からかなり怒られ、これが理由で解雇・・・
回りからみればどっちもどっちなんですけどね・・・・
また、ある日腹痛の急患が飛びこんできました。
専門外でしたが、院長がみるとのことで、呼びにいったのです。
そうすると、なんと顔が真っ赤で、むちゃむちゃ酔っていたのです。
「大丈夫、大丈夫」と院長がその急患を診たのですが。
「まぁ、食あたりだろう。薬をだしておきますよ」といいながら私に渡したカルテには
「ア○○○○、1日3回、3日分」と1日1回で良い薬を3回処方するように書いてあったのです。
もちろん、気がついたので注意し訂正しておきましたが、あのままだとあの患者さんは半殺しになっていたはずです。
今日もその院長は普通に勤務し患者さんを診たり、手術しています。
こんなんで日本の医療は大丈夫なんですかね?