第09回 ナースは見た / 医療現場の裏側!?

第9回  ナースの身だしなみ

私は国立病院に勤める、35歳のナースです。
私自身は二児の母になった今、特に以前ほどおしゃれに気を使わなくなったのですが、後輩の20代の独身ナース達は当然おしゃれに気を使いまくっています。

しかし、私の病院には「風紀委員会」なるものが存在するのです。

「風紀委員会」のある病院は他にもあると思うのですが、私の病院は、看護部長の指示のもと各病棟・外来の師長達が毎日どころか病棟や外来に現れては、ナースの身だしなみを随時チェックするという徹底ぶりです。
ストッキングや下着の色、ピアス、香水、化粧等とにかく細かくチェックしていきます。
当然、茶髪もNGです。
中学校や高校の方がマシな位です。
私も、一度捕まったことがあり、靴の汚れを注意され、その場で購入させられました。

この、調査結果は毎月集計されて、部署順にランキングされ、職員通路に貼り出されるのです。
「風紀委員会を私がつくってから、清潔感のある看護師ばかりになった。」と看護部長は超ご満悦です。

そんなある日のこと・・・

こんな病院ですから、看護学生のみだしなみにも当然厳しく、私の病棟でもピアスをつけている耳を引っ張られている看護学生がいました。
「実習先がこの病院でかわいそう」などと思いながらも、「我、関せず」をよそおい横目でみていると、私と同じく「我、関せず」の看護学生が・・・
なにか不自然な感じを覚えたのですが、黒髪で身だしなみもきちんとした看護学生でした。
しばらく経って、その黒髪の看護学生が看護部長のお孫さんだとわかったのですが、さすがに看護部長のお孫さんは身だしなみが違うなぁと思っていました。

その日の勤務も終わり、更衣室で黒髪の看護学生達と一緒になりました。
すると、その黒髪の看護学生が「あーかゆかった」といいながら、黒髪のカツラをぬいだのです!!
私はビックリして、思わず「そのカツラの事、部長は知っているの」と聞きました。
すると・・・
「おばあちゃん?もちろん知っていますよ。面子があるからっておばあちゃんから渡されてんだもの。」

さすがの看護部長も自分の孫には多少弱いみたいです(汗)

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