第07回 ナースは見た / 医療現場の裏側!?

第7回  同じ名前の患者

私がある病院の病棟でアルバイトを始めた時のことです。
勤務初日、師長さんが病院内を案内してくれたのですが、私の配属された病棟の患者さんの名前が、
「○藤さん」と「□村さん」で半数をしめていたのです。
48床もある病棟でこんな偶然もあるんだなと思っていました。

師長の案内が終わり、朝の申し送りが始まるとある夜勤明けの看護師さんが
「今日は銀行によって、郵便局で手紙を出して帰ります。」
「はぁぁぁ」(ため息)と言いました。
すると師長が
「黙って、我慢してね。」と言ったのです。

なぜ、帰宅する道のりを申し送りして帰るのだろうと思っていたのですが・・・

なんと、「○藤さん」と「□村さん」は院長の親族だったのです。
つまり、その親族の小間使いだったのです。
だから、「黙って、我慢してね。」だったのです。

数週間後、今度は違う病棟にヘルプで勤務した時のこと
また、朝の申し送りで夜勤明けの看護師さんが
「今日は銀行によって、郵便局によって帰ります。」
「はぁぁぁ」(ため息)と言ったのです。

この病棟にも院長の親族が??と思ったのですが「○藤さん」も「□村さん」もなく患者さんの名前はバラバラです。

実はなんとヤクザの親分が入院していたのです。
今度はヤクザの小間使いです…。
このヤクザ・・・院長にお金を握らせて入院したみたいで、この病棟にはその親分の組のヤクザがよく入院するらしいのです。

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