昔勤めていた病院で、電子カルテ委員をしていた時のことです。
毎日のルーティンから離れて業者に希望する機能を伝えたり、看護部が使用するシステムにマスターを設定する作業を夜といえる時間までシステム室で残業する日が続いていました。
ある日、システムの業者の方から「院長室他管理棟の各室PCのメール設定をしなければいけないので、施錠してある部屋に立ち入ることになります。立会いをお願いできませんか。」と、頼まれてしまいました。本当は早く帰りたかったのですが、ちょっとだけ院長室や局長室etcをゆっくり眺めてみたい・・・という好奇心が手伝って「いいですよ」と答えてしまったのでした・・・。
はじめに行った院長室で私の見てしまった事件・・・は起こるのです。
SEさんは院長室に入ると即PCの電源を入れ、設定を始めました。とりあえず見学気分の私は、横机に置かれたPC画面とSEさんの指にくぎづけ!!ほとんどマウス触らないのに画面が変わっていくことが不思議でした。
設定も順調に終わりに近づいた頃、SEさんが入室後始めて私に声をかけました。「表示の設定で、これとこれとこれのどれが一般的ですか?」と一番最後に受信しているメールを例に画面を見せてくれました。
次の瞬間2人の空気が凍りついたのです。表示されたメールの内容は『病棟医のA先生が夜な夜な患者のK子さんに鎮静剤を打ち、いたずらをしているという噂が一部医局詰所に広まっている。何の調査説明、制裁措置も今だ無いのに一体どういうつもりなのか?』という告発とも管理者への詰寄りともとれるようなメールだったのです。本当にびっくりして、その場で固まってしまいました。SEさんと目をマルにしてしまった事件でした。
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