vol.5 部下・同僚との信頼関係を築くコミュニケーション(上)

vol.5 部下・同僚との信頼関係を築くコミュニケーション(上)

相手に意識を向け、相手がどう受け取るかを意識する

コミュニケーションについて悩んでいる職場も多く、どんな方法が効果的ですか?と質問を受けますが、残念ながらテクニックや手法で、すぐに問題が解決するというものでもありません。
人と人の関係には感情が渦巻いていますので、その事を理解した上で活用することが大切です。
そもそもコミュニケーションとは何でしょうか?
人間が互いに意思や感情、思考を伝達し合うこと。言語・非言語を媒介としておこなわれます。
会話をキャッチボールと表現されますが、Aさんがボールを投げてBさんが受け取り、Bさんが投げてAさんが受け取る。
もしBさんが横を向いていたら、こちらを向くように呼びかけてボールを投げます。

つまり、相手に意識を向けること。

話の先には相手がいて、相手がどう受け取るかを意識することです。
しかし、現場では様々な予期せぬ出来事が起こりますし、状況によっては感情的に言い過ぎてしまうことも・・・。
言葉のキャッチボールがドッジボールのようになっていませんか?
「頭では分かっているけれど、現場では仕方がないです。」とお声をいただくこともあります。
ここで、手法に頼るまえにリーダーとして大切にしておきたいことは、いかなる状況でも人として素直な心で関わる意識を忘れないこと。
コミュニケーション(人と人の関わり)の基本に返りましょう。

職場のリーダーとしての基本的な姿勢を意識すること

先日、ある受講者さんがこんな事を話していました。

「新企画の提案書がやっと完成したので、信頼する先輩に見ていただいたら「変わり映えしないね」と一言だけ返ってきました。
忙しい時に訊いた自分も悪いし、率直な意見を聴かせてもらえてよかった、作り直してみようって思いました。

でも、その後、先輩から「さっき言ったことは、気にしなくていいから」とメールが届きました。
色々良かった点なども書いてありましたが、覚えていません。やる気が一気に冷めてしまいました。
だって、気にするか気にしないかは私が決めること、どうして先輩に許可されないといけないのだろう?と思いました。
その先輩のことは嫌いではないですが、それ以来少し線を引いてしまいます。」


ここで重要なことは、気に障ることを言ってしまったり、言い過ぎたと気づいたら、申し訳なかったと本人に謝ること。当り前のことですが、実際はいかがでしょうか?

指導する立場になると責任も重くなり、厳しい事を言わなければいけない場面もありますので、誤解や不快感を与えるなどコミュニケーションミスが発生するかもしれません。言った手前、引っ込みがつかなくなる事もあるかもしれません。

しかし、まずは職場のリーダーが人としての基本的な姿勢をこれまで以上に意識し実践することが大切です。
この素直な姿勢こそが部下や後輩の仕事への姿勢や職場の雰囲気作りに大きく影響しているのです。

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