vol.94
川崎ファミリークリニック
当院では心療内科、一般内科外来に加え、高齢者を中心に内科疾患、認知症など、老年期特有の疾患に在宅医療サービスを提供しています。訪問診療、精神科訪問看護、精神保健福祉士の相談業務など、在宅医療サービスを総合的に実施し、ご利用される皆様の様々なニーズに対応できる体制を取っています。
「物忘れが出てきたかな」、「年齢から来る精神症状かな」、「ちょっと通院が難しくなったかな」と思われるようなことに対して、適切なアドバイスを行っています。
精神科の在宅診療が特徴です。認知症の高齢者の方、精神疾患を患っていらっしゃっているけれども受診を拒否されている方、ひきこもりの方など、外来受診が困難な方を対象に、ご自宅を訪問しています。訪問診療開始前に精神保健福祉士が訪問し、無料相談のうえ、ご本人やご家族にサービスの提案を行います。訪問からサービス開始まで1年を要することもありますが、とても達成感のある医療を行えます。患者さんは7割から8割が高齢者の方ですね。外来診療も行っています。
精神科訪問看護も行っています。精神保健福祉士や看護師がご自宅に伺い、内服管理や精神療法、ご家族からの相談を受けたりしています。
医療連携も特徴で、近隣の日本鋼管病院や川崎幸クリニックのほか、多くの医療機関と緊密に連携しています。
2002年に登戸診療所を開設し、2009年に川崎ファミリークリニックを開設しました。在宅診療は16キロ圏内という制限がありますが、このあたりは登戸から16キロ以上になるので、地域のニーズにお応えする形で開業したのです。今年で5年目となりますが、患者数は右肩上がりですね。地域の高齢化が進んでいることや精神科を受診することの抵抗感がなくなってきたことが増患の背景にあるようです。
医師は大西玲子院長のほかは非常勤医師5人の体制で、そのほかの医療職は看護師と精神保健福祉士が勤務していますが、マンパワー不足が課題です。マンパワーが充足した途端に患者さんが増えるので、忙しいですね(笑)。地域のニーズが非常に高いので、さらに多くのスタッフに来ていただきたいです。そのため、常に求人募集を行っています。
看護師は訪問看護師としての仕事をしていただいています。ただし、運転に関しては必要ありません。看護師が訪問先に伺う場合には必ずドライバーをつけています。車の中で電子カルテのチェックや入力もできますよ。
訪問診療がメインのクリニックですが、採血や点滴の機会もありますので、手技のスキルが落ちることはありません。しかし、当院で学べることは手技だけではないですね。患者さんとの関わり方を学んでいただけます。看護師は精神保健福祉士にないスキルを持っているわけですから、我々と役割分担をすることでのチーム医療も学べます。
当院では一人で仕事をさせません。一人で仕事をしたら、私は怒りますね(笑)。どんなことでもいいから電話してと伝えています。皆で問題点を共有し、問題解決に繋げています。それゆえに看護師が自信を持って、自分の仕事に打ち込めています。共有と実践の繰り返しが特徴ですね。
明るい方、コミュニケーションを取れる方、人と話すことが好きな方に来ていただきたいです。また、精神科診療に関わる以上は心身ともに健康な方を希望します。看護師としての特別なスキルは必要ありません。
当院は精神科のクリニックですので、精神科を経験したことがない方からは敬遠されがちですが、精神科の経験は問いません。そもそも、当院のような精神科を専門にした訪問診療のクリニック自体が珍しい存在ですので、経験はなくて当然なんですね。興味がある方は是非、挑戦していただきたいです。お待ちしています。
情報共有に努めていますので、コミュニケーションは活発です。毎日、申し送りを行っており、受け持ちの患者さんのお宅へ伺わない日でも、ほかのスタッフから様子を聞いて、把握しています。
若いスタッフが多いので、明るい雰囲気ですね。お子さんがいる方でも家庭と両立しやすく、働きやすい職場だと思います。
川崎ファミリークリニックに入職したきっかけ
きっかけはリンクスタッフからの紹介です。以前は総合病院で病棟勤務をしていたのですが、高齢者の方と関わる機会が多かったので、認知症看護や老年看護に興味を持ちました。在宅診療は初めてでしたが、とても勉強になっています。
現在の仕事内容
週3日の非常勤勤務です。1日は内科の訪問診療、2日は精神科の訪問看護を行っています。朝から夕方までの勤務で、多い日には施設を含めて20軒程度、訪問します。
仕事の遣り甲斐
精神科の患者さんは「この治療を行ったから、こうなった」というようなダイレクトな反応はあまりありません。時間をかけて、その患者さんにとっての良いことを行っていきます。ゆっくりであっても良くなっていく経過を見られたり、良くなっていくという実感を得られますので、遣り甲斐がありますね。
勉強になっていること
私は精神科診療は初めてで、薬のことなど、一からの勉強でした。自分のことを説明できない患者さんもいますので、そういった患者さんからどう話を引き出すのか、患者さんとの話の仕方については特に勉強になっています。病棟ではどうしても指導的になりがちですが、在宅での話の仕方は全く異なります。でも、きちんとした指導を受けられますので、初めての方でも大丈夫ですよ。
また、外部での勉強会への参加もあります。交通費などはクリニック負担で参加できます。
新人へのサポート
最初の2カ月は精神保健福祉士と一緒に訪問しますので、そこで学んでいきます。精神科の訪問診療のメインになるのは精神保健福祉士なのですが、看護師の目線も必要ですので、看護師としてしなくてはいけないことを中心に教育しています。
福利厚生
私は非常勤勤務ですが、有給休暇が認められていますので、有り難いですね。休みたい日も事前に申請しておけば大丈夫です。
今後の目標
私は当院で、精神保健福祉士がどのように患者さんと関わっているかを知ることができました。今後は新しく入った看護師にもそういったチーム医療について伝えていきたいです。看護職と医療職の橋渡し役として輪を作って、情報共有に努めていきたいと思っています。
入職を考えている看護師へのメッセージ
看護師は様々な特徴のある職場で働いていますが、当院は在宅診療に力を入れている精神科クリニックです。在宅診療や認知症ケアに興味がある方にとってはとても楽しい職場ですよ。是非、見学にいらしてください。