vol.84
医療法人社団 医善会 いずみ記念病院
当院は1982年に鹿浜橋病院として開業し、「まじめでひたむきに行動する」を理念としながら、地域医療の一端を担ってまいりました。2005年12月、東京都足立区の誘致により、現在の足立区本木へ病院を移転し、病院名も「いずみ記念病院」として新しく生まれ変わりました。
病院の基本方針は「親切でより良い医療と介護を目指す」であり、ご利用者とご家族に 「トータルファミリーケアサービス」を提供することです。すなわち、急性期から慢性期にわたる「身体の具合の悪い方」の手助けをすることで、地域社会に貢献できれば幸いです。
東京都の二次救急医療指定機関の認定を受け、急性期の患者さんには24時間の救急体制をとっています。また、各診療科は専門性を高めるため、優れた医師、スタッフを集め、日々育てるように努めています。一般病床・回復期リハビリテーション病床では、それぞれ1ベッドあたり8.0平米と、一般の病院より広さを確保しました。各階から荒川土手の緑が眺望でき、快適さと災害に強い病院となっています。
さらに、これからの高齢社会に向け通所リハビリテーション、訪問看護ステーション、訪問リハビリテーション、居宅介護支援、訪問介護、そして医療・介護相談室なども併設しています。
2013年4月、当法人は、東京都知事より社会医療法人の認定を受けました。これからは社会医療法人の本来の目的である公益性をより重視し、職員一同気分も新たに地域の皆様に安心と安全をお届けできるよう努力していきます。
理事長 小泉 和雄
まじめでひたむきに行動します
1982年に鹿浜橋病院として開業され、地域に親しまれてきたが、2005年に現在地である東京都足立区本木に移転し、いずみ記念病院として生まれ変わった。一般病床54床、回復期リハビリテーション病床90床の計144床を有し、18診療科を標榜している。東京都指定二次救急医療機関である一方で、居宅療養管理、訪問看護、地域連携室、通所リハビリなどの在宅支援事業にも力を入れている。
いずみ記念病院の分院として、内科、外科の外来診療のほか、訪問診療を行っている。
通院が困難な方に対して、主治医の指示のもとリハビリスタッフ(理学療法士や作業療法士等)がご自宅に伺い、機能回復や現状維持のための身体各部位への機能訓練を行います。ただし、それだけではなく実生活の中での動作や家事動作などの生活に促した訓練も行います。必要に応じて、家族への介助方法の指導・ご本人への自主練習の指導・住宅改修や福祉用具利用のアドバイス・他介護保険サービスへのリハビリテーション上のアドバイス等も行います。
いずみ記念病院内にある通所リハビリテーション施設である。70歳以上の方、65歳以上70歳未満で障害があり、介護保険証をお持ちの方、40歳以上の初老期認知症状態の方を対象に、入浴、食事、介護や機能訓練などのデイケアを行っている。
いずみ記念病院内にある施設である。足立区、荒川区、北区などのエリアを対象に、訪問看護を行っている。
病院の理念に基いて、温かい心で看護を提供します。
各部署に教育担当者を置き、新人教育に力を入れています。毎月、教育委員会活動を行っており、年間の研修計画を立て実施しています。当院は一般病棟と回復期リハビリテーション病棟があり、各部署で必要とされる看護知識が異なります。そこで、部署別の勉強会の機会を持っています。部署で必要なことは部署で、看護倫理や接遇、組織論などは集合教育で学ぶという感じですね。
また、教育委員会では医師や認定看護師による講義など企画し、テーマも決めています。最近では、整形外科の医師に大腿骨頸部骨折についての講義を行ってもらったり、昭和大学の認定看護師による褥瘡や緩和ケアなどの講習もありました。
プリセプター制度は負担が大きく、夜勤などの場合に教育することが難しいので、当院ではプリセプター制度をとらず、チーム支援型の教育体制にしています。これは杏林大学医学部付属病院のアプリコットナースサポートシステムを参考にしたもので、チームは新人を含めた6人から7人で構成されています。チームの中にエルダーとメンターがいて、エルダーが精神面を、メンターが技術面を中心に支えます。また、メンターがエルダーの教育にも当たりますし、メンターの上に教育担当がいます。エルダーは主に2年目のスタッフに経験させ、2年目のフォローもできるようにしています。このシステムですと、チーム皆で新人を支えることが可能になりますし、スタッフそれぞれが教育に関われることがメリットです。
必要な知識を無理のない形で学習しています。回数は多すぎるぐらいありますね(笑)。部署教育が充実していますので、集合教育に関しては教育委員会で話し合って内容を決めています。
3階の一般病棟、4階、5階の回復期リハビリテーション病棟、そして外来と、必要な知識やスキルが違いますので、各部署の教育担当がスタッフの学びたいものをピックアップして、院外研修に行ってもらっています。現在は看護協会のナースプラザがメインですね。院外研修は勤務扱いですが、教育効果を高めるために研修費は半額負担となっています。また、年に1回、伝達講習会があり、院外研修で学んできたことを発表します。
また、東京都病院協会や全日本病院協会主催の学会での発表にも取り組んでいます。全日本病院協会の方は遠方の場合もありますので、参加すると旅行気分も楽しめたりしています。東京都病院協会の方は年に1回、各フロアが参加します。このときは理事長からの熱い指導があります(笑)。今後は看護研究をさらに進め、看護協会にも論文を出していきたいと考えています。
2012年に感染管理の分野で認定看護師が誕生し、専従で活躍しています。今後は緩和ケアや摂食嚥下、脳卒中、救急看護などの分野でチャレンジするスタッフがいればと思います。
入職時にオリエンテーションを行い、その後、看護倫理、医療安全、看護記録の研修や認定看護師による感染管理のレクチャーなどを行っています。また、部署別教育でも安心して働けるよう、その部署に必要な研修を設定しました。そのうえで、集合教育と部署別教育で進めていきたいです。
昭和大学病院や看護協会の新人教育責任者の研修に行き、情報交換やグループワークなどを通して、私も学んでいます。そして、個々に合った教育を行うように、各担当者を教育しています。新卒であっても、看護師と准看護師がいますので、看護師は1年、准看護士師は2年かけて一人前になれればいいと考えています。教育委員会では様々な情報を共有し、指導方法のアドバイスを行っています。昔の新人教育とは違い、「誉めて伸ばす」が基本です。
当院には急性期病棟だけでなく、回復期リハビリテーション病棟、介護老人保健施設、訪問看護ステーション、分院のクリニックなど、色々な職場があります。院内の異動だけでなく法人内での異動に対応できるように、エキスパートな看護師を育てていきたいと思っています。
私自身も当院で回復期リハビリテーション病棟を経験し、MSWやリハビリスタッフとの連携を通して、看護師の役割を改めて考えるようになりました。若い頃の看護観にはなかったことを当院で学べましたね。患者さんが自宅へ帰るためには家族指導も大切ですし、また、患者さんのご自宅のことも知らないといけません。そういった意識を持って働ける看護師になれるような教育の展開を検討しています。
母が看護師だったことが大きいですね。それから子どもの頃の思い出です。病気をして、病院に行くと、看護師さんが優しくしてくれて、アンプルカットするためのハート型の石をくださるんです。それが嬉しかったですね。私が6歳のときに、父が亡くなったのを機に、母は看護師として復職したんです。当時、女性が一人で生きていくためには看護師、美容師、保育士、電話の交換手ぐらいしか選択肢がありませんでした。スチュワーデスや婦人警官もまだ少なかった時代です。そういう理由もあり、私は小学生の頃から高校生までずっと看護師を目指してきました。
女性に一番、向いている仕事と思っているからです。若いときは患者さんのお世話をすることに喜びがありますし、自分が結婚して子育てをすれば、「これはこんな病気かな」などと考えることができるようになります。そして、患者さんと話すと、色々なことが分かるようになって、患者さんに育てていただけるんですね。患者さんやご家族を励ましたり、励まされたりで、本当に遣り甲斐のある毎日でした。ただ、私は物覚えがいい方ではありません。7年間のブランクを経て、個人病院に復帰しましたが、それまで大学病院の経験しかなかったので、大学病院では研修医や技師さんがするような仕事が全くできませんでした。でも、私は小さい頃に習っていた書道でも人より時間がかかっていたことを思い出し、ゆっくりやろうと思い経験を重ねているうちに、それ自体仕事を続けていることになったのです。
何はさておき、優しさと笑顔に包まれた看護です。笑顔は何者にも優りますね。私自身も病気で入院したことがありましたが、看護師さんの笑顔には救われました。医療人としてと言うより、一般の社会人として、一女性として、一人の人間として、ものを見たり、考えたりしていくことをモットーにし、そのうえで看護を考え、患者さんやご家族に満足していただきたいと思っています。それにはコミュニケーションが大切ですね。
急性期病棟と回復期リハビリテーション病棟を持つ、ケアミックスの病院です。病棟、外来、手術室、救急と、入院から退院まで、きめ細やかに看護ができる環境です。「トータルファミリーケアサービス」を掲げ、幅広い年齢を対象にした医療を行っています。病院のみならず、介護老人保健施設、訪問看護ステーション、訪問介護、訪問リハビリなどがあり、どのような状態になっても、当院をご利用していただくことができます。
さらに、地域に密着した病院で、地域のお祭りや運動会などにも参加していますし、地域の皆さんには防災訓練などに協力していただいています。地域の運動会は盛り上がります。
スタッフが達成感を持てるような職場環境づくり、人材育成に取り組んでいます。以前は教育プログラムがありませんでしたので、教育担当師長として、高野師長に白羽の矢を立てたのです。新人教育だけではなく、復職支援も行っています。また、既卒であっても、内科、循環器科などの単科しか経験のない人も入職してきますので、改めて教育を行います。皆、3カ月もすれば「前からいます」という顔つきになりますよ(笑)。エルダーやメンターもいますし、チーム内で誰に尋ねても分かるようになっていますので、戸惑いがなく覚えられるようです。
看護部は多用な勤務形態をとっており、短時間正社員雇用制度、子育て支援、学業支援などを行っています。また、ワーク・ライフ・バランスも重視しています。人間関係が良く、働きやすい職場環境です。また、近くの託児室とも連携しています。
足立区の花火大会を楽しめる納涼会、秋の旅行、冬の忘年会のほか、2月には越後湯沢へのスキー、ツアーを行っています。
実習生を受け入れることにより、さらに現任教育に力を入れていきます。また、組織づくりにも注力します。一人一人が当院で働いていて良かったと思えるような環境にしていきたいです。
まずは看護師という職業が好きな方で、当院の理念に共感していただける方に来ていただきたいです。それから患者さんに優しく接し、協調性のある方が望ましいです。看護師はチームで動く仕事なので、協調性がないと、本人も周りも辛くなりますし、患者さんはもっと辛くなりますからね。
人生には色々なことがあります。苦しいことや楽しいことがありますが、看護も同様です。もしかしたら、楽しいことの方が少ないかもしれません。でも、それも人生ですし、生き様になっていくのです。苦しいことがあっても、負けないでください。悩みが多く、どこの病院にしようか迷っている方、当院へ是非、お越しください。元気な仲間と素敵な笑顔でお迎えいたします。一緒に働いてみませんか。
松村:まず地域との繋がりが深く、地域から愛される病院という印象を持ったことです。病院見学に行った際、外来や病棟のスタッフの雰囲気が良く、皆さんが優しく挨拶をしてくれ、病院全体がとても明るかったのを見て、私もここで働きたいと思いました。
松村:看護師を目指す前は臨床心理士になりたかったこともあって、新卒での就職は精神科の病院にして、その次に急性期病院に勤務すると決めていたんです。ですから、当院では急性期病棟を希望していました。当院は混合病棟なので、様々な疾患の患者さんに携わることで、自己のスキルアップに繋がるのではないかと考えたことも志望動機の一つです。
松村:精神科病棟は穏やかでしたので、急性期病棟はぴりぴりした雰囲気なのかと思っていましたが、違いました。先輩方は忙しいときでもぴりぴりせず、でも、てきぱきと働いていらっしゃって、素敵です。急性期を経験できて良かったと思っています。
松村:プライマリとして看護計画を立案し、患者さんの状態に合わせて看護ケアを行っています。オペ出しもありますし、手術室から戻られた患者さんのバイタルをこまめにチェックしたり、観察したりもしています。また、回復期に移行する患者さんに対してはリハビリスタッフやMSWと情報共有を行い、個別性を重視した看護ケアに繋げられるよう努めています。急性期病棟のため、平均在院日数16日、病床稼働率は93%から94%と看護展開が速いと感じることもありますが、介護スタッフと協力し、清潔ケアにも力を入れています。
松村:患者さんが食事摂取できるようになったり、病状が安定したり、元気になっていく姿をそばで見られることが一番嬉しく、遣り甲斐を感じます。「元気になりました」と声をかけていただいたときなどは看護に携わることができて、本当に良かったと思える瞬間ですね。
松村:温かい病棟ですよ。スタッフ全員が明るく、声をかけ合いながら仕事をしています。先輩方が常に見守ってくださり、「大丈夫」と声をかけてくださったり、気にかけていただいています。判断に困ったときや分からないことがあるときにはすぐに先輩方に相談できる環境です。急性期ですから、手術が急に入ることもありますが、フリー業務のスタッフが常にいますので、フォローも十分です。
松村:入職した当初、一般病棟が初めてなうえに急性期混合病棟でしたし、精神科では行わなかった処置や技術が必要とされるので、私にできるのかという不安で一杯でした。でも、既卒看護師の中途採用ということで、私に合わせた看護技術のチェックリストに沿って、先輩看護師がフォローについて、技術面も細やかにチェックしてくださいました。そのため、一つ一つのことを確認しながら、日々の業務を行うことができ、自立に向けて、仕事を覚えていくことができました。
松村:「救急車同乗研修」です。消防署に行き、救急隊員の方と行動します。救急車の中の設備の説明や119番通報から救急車が出動してから現場到着までに行われること、現場に到着してから病院に搬送するまでの対応や仕組みなど、日頃は病院内で働いている私たちが知らなかったことを一緒に体験しながら学ぶことができました。患者さんのご家庭でバイタルを計ったり、酸素吸入が始まったり、緊迫感がありましたね。救急隊員は3人のグループなのですが、患者さんの状態を把握する人、ご家族を落ち着かせる人、病院に連絡する人など、きちんと役割分担ができていることも勉強になりました。この研修を受けたことにより、今まで以上に患者さんや付き添いのご家族が病院に搬送されてくるまでの過程や、退院して在宅介護に移行するまでの一連の過程をイメージできるようになり、看護師として、貴重な体験となりました。
松村:基本的にはチェックリストに沿っています。先輩看護師がフォローし、一人立ちするまで付き添いながら、不安なことの相談に乗っています。
松村:今は急性期看護についてでしょうか。入職した頃は一般病棟のことが何も分からず、用語などを一から勉強しました。当院は教育に力を入れていますので、外部研修も希望すれば受けられますし、日頃の分からないことは病棟内で質問できます。
松村:残業がほとんどなく、休みも取りやすいですね。有給休暇も20日ありますので、長期休暇で旅行を楽しんだり、家族とゆっくり過ごしたという話は先輩方からよく聞いています。私も趣味と両立できています。私は社交ダンスが趣味なんです。今度、初めて大会に出場するんですよ。
松村:アメリカのチェロキー社の制服です。200種類ものデザインの中から3種類を選ぶことができます。自分で購入することもできますし、3年ごとにチェンジすることになっています。
松村:入職して1年未満ですので、分からないことも多くありますが、後輩に教えられるようになっていきたいです。また、急性期病棟では救急車で運ばれてきた患者さんやご家族が動揺されています。そういった方々に身体のケアだけではなくて、常に冷静な判断をし、機敏に行動しながら、患者さんの心に寄り添って、辛いときに身体をさすり、手を握って、声をかけるような看護師になりたいです。
松村:私は精神科の病院から転職しましたが、いずみ記念病院で親切で温かい先輩方に育てられて、本当に良かったと感謝しています。他科のことも学びたいけれども、病院や診療科を変わることに不安で一杯な看護師の方、患者さんの回復していく過程に一緒に寄り添える看護がしたい看護師の方、様々な疾患を学んでいきたい看護学生の方、是非、私たちと一緒に看護しましょう。産休を終え、常勤で勤務しているスタッフも多いですし、仕事とプライベートの両方を充実させたい看護師の方にもお勧めです。より良い病院を目指して、一緒に働きましょう。お待ちしています。