基本理念である「医療内容の充実と地域に密着した心の医療の実践」を道しるべとして、皆様の大切な命を守り続けていくために、当院はますます充実してまいります。2011年度には開放型病床を設立しました。野田市医師会会員36人の先生方に登録医としてご協力をいただいています。
次に、野田市内では当院のみとなる、日本医療機能評価機構の認定更新を受けました。公益財団法人日本医療機能評価機構が医療機関を中立、公平な第三者の立場から審査し、医療の質や機能を評価するもので、当院も3日間にわたる医師、看護師、検査技師、事務担当者などによる訪問審査を受け、認定にふさわしい病院であるとの高い評価を受けました。
また、千葉県がん診療連携協力病院(胃がん、大腸がん)に認定されました。これは厚生労働省の指定する県内14のがん診療連携拠点病院に準じた医療を提供できる病院として、がんに対する医療水準向上と地域医療の強化を図る目的で、千葉県が2011年12月に新たに県内13病院を指定したものです。学会の認定施設となっていることや化学療法、緩和ケアの提供体制が整っていることなど、一定の条件を満たしている病院が選定されました。当院は東葛北部地区(野田、松戸、柏、流山、我孫子)では唯一、新たに指定された病院となります。これからも皆様のお役に立ちたいという気持ちで、職員一同で頑張ってまいります。
院長 二宮 浩樹
健康な人、病んだ人、健康に不安を抱いた人、そしてご家族。当院にはあらゆる人々が訪れてきます。長い人生のほんのひとときであっても、当院で過ごす時間が、その人の心にほんのりと温かな灯を点す「時」であるよう、私たちは心の底から温かなふれ合いと、誠意あふれるサービスを提供したい気持ちで一杯です。そして健康であることの喜びを共に感じ、健康回復へのステップを共に手を携えながら歩んで行きたいと考えています。
1942年に野田市野田に開業した内科診療所が前身である。戦後の1951年に野田市吉春に結核療養所を新設して小張病院とし、1970年には内科診療所を30床の病院へと建て替え、救急指定病院となった。1991年に小張総合病院と名称を変更し、現在は21診療科350床の病院として発展している。24時間の二次救急医療体制の確立、新看護体制の充実など、地域に根ざした医療活動を展開する。どんなときでも最も大切なのは「心の医療」の実践と考え、地域の方々の声を聞き、病院と患者さんとが心の通じ合える豊かな関係を目指している。
2002年12月に、小張総合病院の隣地に完成したサテライトクリニックである。内科、神経内科、呼吸器内科、消化器内科、循環器内科、腎・糖尿内科、糖尿病・代謝内科、外科、小児科、整形外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管外科、皮膚科、泌尿器科、乳腺外科、肛門外科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科(物理療法)、放射線科を標榜し、外来や検査を積極的に行っている。
小張総合病院看護部は、病院設立の精神を基盤とし、社会の変動、医療の進歩に伴い、地域住民の要請に応じた看護を提供しています。
◆患者の持つ潜在的治癒力を引き出す努力をし、個々の患者のNeedsに応じた看護を提供しています。
◆専門職として常に看護の本質を追究し、科学的・創造的かつ主体性のある看護を目指しています。
1.心温まる看護の提供
2.医療チームとしての倫理的意思決定ができる教育体制
3.新病棟設立に向けての看護体制の調整
4.離職防止のための職職間の環境づくり
レベル1から5までのクリニカルラダーを設定しています。新人はレベル1、主任クラスがレベル5に該当いたします。そのほか、看護研究、臨床指導者のための支援や、感染や医療安全についての専門的な教育も別途に行っています。
また、ラダーに当てはまらない人や認定看護師の話を聞きたい人には「ホップステップジャンプ研修」があります。医療機器、がん看護、感染症、医療安全、NSTなどの勉強会で、臨床検査技師や放射線技師などの各部門の協力を得ながらながら、知識や技術を磨く教育の場を豊富に提供しています。
入職後の1週間は病院の特徴や理念、ラダーのステップ説明などの座学と、主任クラスが講師になり、当院で使用している点滴や針を実際に使用し、安全な看護技術を教育します。大切にしているのは病院理念である「心の医療の実践」をもとにした看護観を育てることです。技術から思考への流れの中で、自分で考えられ、自分の体験が学びだということを実感できるように、一人ひとりのキャリアアップを支援しています。
病院理念の基に病院目標、看護部目標が決まります。その下に病棟目標、個人目標があります。個人目標を理解した上で、所属長や看護部長が、院外研修の推薦を行うシステムです。去年は延べ150人が院外研修に行っています。
認定看護師はがん化学療法と感染管理が1人ずついます。今後更に、感染管理、認知症、皮膚・排泄ケアの認定看護師の希望者を募っているところです。手挙げ制で、長く当院に貢献していただける方の受講を経済的にも支援しています。
千葉県の看護協会と提携した復職支援を行っています。感染管理や医療技術など、モデル人形を使って教育し、復職にあたっての不安を取り除いています。野田市の「とも」という広報誌でもアピールしています。
全病棟の交代制で毎年6題ほど発表しています。当院は機能評価も受けていますので、このように看護研修を外部の学会でアピールしていくことも大切だと考えています。
今回は透析室が発表した「フットケアのシャボンラッピング」の研究が印象的でした。シャボンラッピングとはビニール袋にシャボンを泡立てて、足をマッサージするもので、患者さんもご自宅で同等に実践できそうです。また、救急外来では「交通事故で突然、亡くなった青年の家族への声かけをどうするのか」というテーマで発表しました。看護師は死に対して慣れているだけに、こういった振り返りの機会は貴重ですね。4A病棟では「がん化学療法の患者さんへのオリエンテーションが十分かどうかの見直し」についての発表でした。認定看護師が主任を務めていますので、認定看護師の協力のもとでまとめて発表を行いました。今後は看護の成果を学会発表できるようにしたいですね。
私自身が看護師を目指したのは「人の役にたちたい」、「相手の気持ちに寄り添いたい」という気持ちからでした。教育にあたっても同じように心がけています。相手の気持ちを読み取れるように、知識を増やすための勉強を続けています。多彩な知識で判断できるようになるために、学ぶことを止めたくないですね。私が新人の頃は仕事に追われて、事例発表がなかなかできませんでした。今は協力者も増え、マニュアルの改訂や、研修してきたことを共有するなどの振り返りの時間を確保することが可能になりました。患者さんとの思い出がこれからの仕事に繋がっていきます。きちんと振り返り、自分の学びとできるよう、心がけています。
認定看護師を増やすこと、院外の学会発表を実現させることがまずは目標です。そして現場で指導できる人材を増やし、教育体制を強固にすると共に、職員の意見を吸い上げることで、定着してもらえるような体制が理想です。そのためには、院外や看護学校の先生方とも連携を深めていきたいです。また地域に貢献できる人材と場を作る事が将来の目標です。
高校時代に女性にも職業があっていいのではないかと思ったんです。手に職を持って、一生、働ける仕事に就きたいと考え、高校の先生に相談したところ、高校の先輩が進学した国立習志野病院附属看護学校の受験を勧められました。当時は激しい競争率でしたが、何とか合格しましたよ(笑)。
人のお世話をすることや人との関わりが大好きな私の性質に看護師の仕事が合っていたからです。私が就職した当時、師長さんは3つの病棟を掛け持ちで、主任さんは各病棟に配属されておりました。私が配属された病棟の主任さんがとても素敵で、高い能力をお持ちであるところに憧れましたね。院長回診のときに、温度表で検査結果等を説明したりするのですが、その主任さんは主治医よりもきちんと応答できるし、観察力も優れていました。患者さんと常に生き生きと会話している様子を見て、私もこんな看護師になりたいと思い続けてきたんです。やはりロールモデルは大事ですね。
今は育児休暇なども充実していますから、女性が定年まで働くことは難しいことではなくなりましたが、当時は大変なこともありました。私の場合は家族が協力的だったのが有り難かったです。
患者さんに寄り添う看護が理想です。水曜日は院長回診がありますが、ベッドサイドで患者さんやご家族とお話をしたり、ご質問に気楽に答えたりするなど、会話を大事にしています。管理職の経験が長くなりましたので、看護師が働く環境を整えていきたいですし、職員にも積極的に声をかけています。当院の理念は「心の医療の実践」ですから、職員も人との繋がりを大事にしてほしいです。
二次救急の急性期病院として、救急医療には即、対応しています。外来にも力を入れており、ICUやSCUもありますので、患者さんが多くいらしたときには救急外来のベッドでも対応することもありますよ。病棟は7病棟からなり、循環器内科、脳神経外科、SCUなどが大変ですね。透析の患者さんも増えてまいりましたので、来年6月には腎センターを新設します。これからも患者さんが利用しやすい病院として、受け入れ体制の強化に努めていきます。
野田市の人口は約15万人で、野田市はもちろん、春日部や柏などからも一晩に15台もの救急車が来ることもあります。住民の皆さんに気配りをしつつ、お断りしないような受け入れをしております。ベッドコントロールは毎日調整です。
24時間の院内保育所のほか、野田市の支援を受けた病児保育所の「ひばりルーム」も完備しています。小児科を受診し、医師の判断のもとでひばりルームに預けられますので、働きやすい病院だと言えるのではないでしょうか。
5月、6月には週末ごとに職員旅行が行われます。全部で6班~7班ぐらいになるのですが、入職したばかりの職員は1班で、必ず部長クラスと一緒になります(笑)。院内のコミュニケーションを円滑にするためにも、全員の参加を促しています。
また、互助会主催でバレーボールや野球、卓球をやっており、子ども連れで参加する職員も多いですよ。
来年は新病棟が完成しますので、職員がゆとりを持って働けるような環境を整備していきます。旧病院の跡地利用に関しても、患者さんのみならず、職員にも還元できるようにしたいのですが、具体像はこれからです。
当院は付属の看護学校がありませんので、看護学生を受け入れるための環境を作ることが職員の育成にも繋がると思っています。
若い方に期待するのは与えられた課題をこなすだけでなく、自分に与えられた環境の中で創意工夫することです。そして効率的に動いて、患者さんに還元する気持ちがないと、看護師の仕事は務まりません。私は当院に着任したときに、看護部長室はいらないと言ったんです。狭くてもいいから、副看護部長と一緒にいたいと思ったんですね。副看護部長は3人おりますが、私の考え方・方針を把握しながら、目標に向かって頑張っております。若い方たちにもそういう姿勢を望みたいです。コミュニケーションスキルがあり、「将来、こういう病院にしたい」というビジョンを語れる方をさらに伸ばしていきたいと考えています。
勇気と元気と笑顔でベストナースを目指しましょう。当院に興味を持ってくださる方には当院の理念をしっかり理解していただきたいと思います。看護師の仕事は結婚しても、また当院を辞めることになっても、どこかで続けられるものです。家族が増えれば、患者さんとの会話も豊富になりますよ。当院は男性看護師も多いですが、専門性を身につけてほしいと願っています。当院では進学を希望する場合は支援を行っています。スキルアップした者をいかに患者さんに還元できるのか考えて、頑張っていただきたいです。
神谷:結婚が決まった事を機に、一度、看護の仕事から離れましたが、生活が落ち着いたので、また働こうと色々な病院に見学や面接に伺いました。小張総合病院では副看護部長がとても親切で、多くのことが学べそうな雰囲気があったので、決めました。副看護部長は今も気にかけてくれていて、会うたびに近況を尋ねてくれます。病棟の人間関係もとてもいい病院ですよ。
村田:前の病院で5年ぐらい働いていたのですが、ステップアップを図ろうと思い、一回り大きな病院を志望していました。小張総合病院には経験したことのない診療科が揃っていることのほか、認定看護師が数人いて、新しい情報を教えてくれることに惹かれました。
神谷:4B病棟は循環器内科、心臓血管外科、呼吸器外科、腎臓内科の混合病棟です。呼吸器外科は手術が多いですし、心臓カテーテルは入退院が頻繁にありますので、忙しいですね。心不全で内科的な治療の方への援助ですとか、入院期間が長い方への生活面のケアもしています。
村田:5B病棟は総合内科などの混合病棟です。眼科の白内障や小児の耳鼻咽喉科の手術などもあり、短期間の入退院も多いのですが、呼吸器内科では肺炎が多く、高齢の方への胃婁造設などもあります。早期退院を目指して、毎日、カンファレンスを行っています。
神谷:患者さんとの会話を楽しめるところでしょうか。患者さんから困ったことや不安を聞き出し、病棟で情報を共有できるのは、病棟全体の雰囲気にあると思います。その雰囲気に私も自然にとけこめ、仕事ができています。先輩方がしっかり指導してくださるので、勉強もできますし、大変な仕事ではありますが、知識がついていくことを実感しています。
村田:入職してから半年しか経っていませんので、覚えることが多く、忙しい毎日です。そんな中で親しくなった患者さんが元気になって退院されるときに遣り甲斐を感じます。転棟になった患者さんが退院されるときに私の病棟まで来てくれて、「もうすぐ退院するんですよ」と報告してくださったときは本当に嬉しかったですね。
神谷:先輩方が優しく、頼りがいがあるので、いい雰囲気です。先輩方は知識を自慢するように披露することは全くなく、自然に誘導してくださるので、仕事を覚えていきやすいです。
村田:まだてきぱきと働けないのですが、先輩方がうまくカバーしてくれていますし、手伝ってもくれるんです。でも、全部を手伝うのではなく、「こういうふうにやったらいいよ」というポイントをアドバイスしてくれます。私が情報を拾いきれていないところも方法を教えてくださったり、とても丁寧な指導を受けています。
神谷:新入職と一緒にレベル1の研修を受けています。私の場合は全くの新人ではないので、師長と相談をしながらテーマを見て参加をしています。そのため、基本的な技術よりもBLSなどの研修を受けました。小張総合病院では看護師が集まって、医師の講義を聞いたり、師長さんたちが講師になる勉強会が頻繁にあり、皆で学びを共有しています。
村田:私の場合は特にありませんでした。新人や2、3年目の人たちと一緒にいくつかの研修に参加した程度です。どの研修に参加するのかは私の希望と師長さんからのお勧めで決めました。
神谷:以前、勤めていた病院では循環器の経験しかなかったのですが、今は混合病棟ですので、多くの疾患を学べます。人口呼吸器を装着している患者さんへの対応や急変や重症の患者さんへのケアも勉強になっています。
村田:皮膚・排泄ケアの認定看護師さんによる褥創の回診があります。前の病院では褥創の処置はいつも同じ方法だったのですが、今は褥創によって処置の選択肢が様々だということが勉強になっています。
神谷:家賃手当や夜勤手当などが高く、この地域では恵まれている病院ですね。寮費は家賃手当と同額ですので、無料なんですよ。病院から近くにあるので、便利だと思います。勤続5年ごとに海外旅行があり、費用も病院が負担しています。先輩たちの話を聞くと、色々なところに行っているみたいですよ(笑)。
村田:私はあまり休み希望を出すことはないのですが、先輩の話を聞くと、配慮がなされているようです。男性看護師が1割を占めていますので、働きやすいですね。
神谷:私の病棟では半分が男性看護師ですよ。
村田:それから職員食堂が充実しています。昼も夜も日替わりで、飽きずに食べられます(笑)。美味しいですよ。独身者は助かっています。
神谷:大学に行きたいとか、認定看護師を取りたいというときも給料保障があったり、勤務扱いにしていただけますので、私も利用したいと思っています。
神谷:看護学校の教員になりたいんです。看護学生のときに担当してくださった先生からいい教育を受けたのがきっかけです。その先生に出会えて救われたと感じています。今は病棟での勤務で、急変などの知識を増やしていきたいです。そして配属変更して、ほかの診療科のことも学び、急性期から慢性期まで看る経験を積んだうえで、教員の資格を得たいと考えています。
村田:もともとスキルアップを目指して小張総合病院に来ましたので、認定看護師を取得したいです。まだ分野を決めかねていますが、褥創やストーマなどの皮膚処置に興味があります。患者さんのニーズも多種多様ですし、勤務しながら、どの分野にチャレンジするかを決めていきたいです。
神谷:まずは見学にいらして、病棟看護師が生き生きと働く姿を是非ご覧ください。そして、看護師の優しさやあふれるような笑顔で働く姿も見ていただければと思います。
村田:小張総合病院は勉強会が充実していますし、教育に力を入れている病院です。認定看護師を目指す方には最適な環境が整っていますので、スキルアップを目指したい方にお勧めします。