vol.64
新潟勤労者医療協会 下越病院
新病院と関連施設の拡充で、もっと頼りになる"地域の拠り所"をつくろう!
①下越病院は救急車対応でも頑張っています
下越病院は2010年に救急車1325台を受け入れ(新潟市全体の救急車出動の4%ほど、秋葉消防署出動数のおよそ29%を占めると推定)、地域の2次救急機関として大きな役割を果たしています。新病院では重症室・救急設備の整備をはかりました。引き続き地域の期待に応えていきます。
②急患対応、特に在宅や施設からの紹介対応で期待されています
下越病院は2010年に救急車1325台を受け入れ(新潟市全体の救急車出動の4%ほど、秋葉消防署出動数のおよそ29%を占めると推定)、地域の2次救急機関として大きな役割を果たしています。新病院では重症室・救急設備の整備をはかりました。引き続き地域の期待に応えていきます。
I)「外来をコンパクトにして病棟医療で頑張る」としてきましたが、収益全体のバランスを考え、「コンパクト」化を見直す(テンポや内容)必要があります。慢性疾患医療の「診療パス」など工夫して、特段の労力をかけることなく患者さんの健康管理を進める=付加価値を高める方法を追求します。
II)入院については、個室が増えるメリットを活かしてベッド調整を成功させることが鍵です。手術件数(カテーテルや内視鏡を含む)や在院日数によってDPC日当円が大きく変わるので、必要なとき、いつでも入院ができる病棟運営となるように協力し合います。
全日本SW委員会「無料低額診療制度利用者分析調査」(10年4月~11年3月)3029件の集計では、年齢60歳代が最多(28%)で国保が過半数、雇用形態は非正規が約7割、うち無収入が3分の1も存在し「失業と低所得」の多いことが浮き彫りになっています。新潟県の県民所得は全国27番目(全国平均を100として95、経済成長率も全国平均△2.4%に対して△3.7%、08年09年統計)です。無料低額診療はじめ、子どもの医療費補助を進める運動、水俣病でも奮闘します。
来年度も研修医を迎え入れ、看護師や療法士など若い職員が増えていきます。高校生一日体験や模擬面接、医系学生の仲間づくりや学習活動の援助、学外実習や研修説明会などの取り組みで、必要な青年職員を迎え入れ、民医連らしく地域医療を大切にする職員集団にともに育ち合います。
院長 五十嵐 修
わたしたちは地域のみなさんとともに、ゆきとどいた医療・福祉の実現をめざします。
下越病院は新潟県新津市に1976年に開設された病院である。新津市は2005年に新潟市と合併し、現在は秋葉区の一部となっている。新津は古くから鉄道の街として栄えており、新津駅はJR東日本の信越本線、磐越西線、羽越本線の3路線が乗り入れるターミナル駅である。特に、新潟と会津若松を結ぶ磐越西線は「森と水とロマンの鉄道」と呼ばれ、1999年に復活を遂げたSLが「SLばんえつ物語」号として定期運行し、首都圏をはじめ、全国から観光客を集めている。
下越病院は地域住民を出資者として発足した歴史を持ち、新潟水俣病の治療や調査など、多くの社会問題と向き合ってきた。最近では災害指定病院に指定されたほか、DMATを保有し、東日本大震災にも出動するなど、様々な活動を行っている。現在は一般病床に加え、療養病床、回復期リハビリテーション病床も開設し、15診療科261床の規模で運営している。2012年5月には新築移転し、医療やサービスのさらなる向上を目指している。
私たちは、3つの視点で看護にあたっています。
1.患者の立場に立つ
2.患者の要求から出発する
3.患者とともにたたかう
1.「総合性」「継続性」
医療と看護が専門分化する中で、患者の生活と労働を見据え、総合的な視点を持つこと、急性期、慢性期などと分断されつつある中で看護の基本となるものを守り抜く立場で、在宅も含めた看護の継続性を追求してきたこと
2.「無差別性」
老人を始めとして、新たに生命に対する差別が進められる中で無差別性を追求してきたこと
3.「民主性」
真に患者の立場に立つことで民医連の医療集団が団結し、民主性を貫いてきたこと
4.「人権」
こうした看護実践を一人ひとりの患者の人権を守り、要求を実現する立場で運動と結びつけていたこと
私たちは、患者さんの基本的人権を尊重し
患者さんの立場に立ち、患者さんの要求から出発し
患者さんとともに闘う看護を追及します
私たちは「いのちの平等」と「いつでも、どこでも、だれもが安心できる良い医療と福祉」をめざしています。
回復する力、可能性は患者さまの中にあります。患者さまの思いに寄り添い、その人らしさを大切にしたい・・・
その人の生活や背景まで「看る」ことを大切にしたい・・・
「あきらめない看護」それが私たちの目指す看護です。
下越病院では卒後1年目から4年目までを卒後研修、5年目から45歳まで中堅研修を位置づけ要項に沿った教育研修を進めます。中堅研修要項の見直しに合わせて進めていきます。
1年目は看護師としての基礎をしっかり築き、民主的集団医療のチームの一員として役割を学ぶ時期です。
【研修目標】
1.看護師として必要な基礎的技術を習得する
2.バイタルサインを正しく把握し、適切な処置、記録報告ができる
3.安全に各勤務の業務を行う事が出来る
4.救急時の適切な観察と対応ができる
5.実践を通して、看護過程について理解することができる
6.医療チーム、看護チームの一員として多職種と自らの役割を学ぶ
7.民医連看護の特質を学ぶ
2年目は仕事に自信をもつ中でより広い社会的視野をもち、看護観を深めさらに技術を高める時期です。
【研修目標】
1.各科の特殊性に応じた専門的知識・技術を養い、安全で適切な看護対応ができる
2.生活と労働内容が疾病と関連していることが理解出来る
3.民主的集団医療の一員として、多職種と共同して仕事に取り組める
4.助言を受けながらプリセプターとしての役割と責任を果たすことができる
5.看護チームの一員としてメンバーシップがとれ、問題の把握および提案ができる
3年目は民医連看護の視点を深め、専門家として安定した看護力量を持ち、リーダーシップを発揮していける力を準備する時期です。
【研修目標】
1.職場の方針づくりへの参加や分担された役割を果たせる
2.リーダーシップを理解し、チームリーダーとしての役割を積極的に果たせる
3.安定した総合的な看護技術が提供できる
4.民医連看護の視点を持って、継続看護が展開出来る
5.他部署を経験することで幅広い視野を持つ
4年目は看護の実践を通し、民医連運動の担い手として基礎を築く時期です。さらに専門家として安定した看護力量をもち、リーダーシップを発揮していく時期です。
【研修目標】
1.日常看護実践の中で後輩に対して支援する事ができる
2.医療活動全体を守り、発展させるために社会情勢に目を向け、たたかう看護を推進していける基本的姿勢を持つことができる
卒後2年目の看護師はエルダーナースと相談しながら新人ナース(プリセプティ)の相談に乗るなど精神的な支援を行います。
プリセプター同士で集まる機会をもち、情報交換や学習会を行っています。
卒後4年目ナースはエルダーナースとしてプリセプターナースの相談役として指導・援助を行う役割を持ちます。
【役割について】
プリセプターが以下の内容をできるよう援助する
1.新人ナース(プリセプティ)が職場に適応できるよう支援できる
プリセプティとコミュニケーションを密にとり新人の想いや考えを聞く
2.プリセプティが配属部署の看護の実践・展開できるようにする
実践の中でプリセプティとともに学習し、助言を行う
プリセプティと一緒に学習を行う
3.プリセプターがその役割を通じて自己成長できる
新卒~4年目研修対象者を除いた看護師。ただし、病棟師長、主任は除く。
教育目標達成に向け、
1.民医連看護の3つの視点と4つの優位性を学ぶ。
2.中堅看護師としてリーダーシップを発揮する。
3.後継者育成、病棟運営参加に向けて円滑な人間関係をつくる。
4.生活と労働の場から患者をとらえる目と構えを持ち、職場方針を推進する。
5.看護実践を絡め情勢を把握し民医連綱領実現を目指す。
を援助するため5つの研修コースを企画します。
疾患だけでなくその人の生活や背景を「看る」ことを大切にしています。
受持ち看護師が患者さまの気持ち、希望などを聞き、主治医や多職種とのカンファレンスで「患者さまの想いを形にするためにできること」を検討します。退院後の生活を考え、退院前後の自宅訪問も行なっています。
下越病院は地域の皆さんから支えられ、地域に根ざした病院です。垣根のない多職種チームでの関わり、その中で一番身近な看護師として患者さまを支えます。訪問看護、居宅支援事業所、介護施設が同一法人にあり日常的に連携しています。看護師が活躍できるフィールドが多岐に渡っていることも魅力です。
日本看護協会認定看護師育成制度があり、学費や居住費などを支援「めざす分野」の認定取得を応援します。院内認定制度があり一人ひとりの看護師が目標を持って研修に取組んでいます。(2010年度の院内認定分野;ACLS・呼吸ケア・栄養サポート・災害看護・退院支援・看護研究)
医療の高度化、患者の高齢化、IT化など、看護の現場はめまぐるしく、「めざす看護」を実践することは大変なことです。大変な現場だからこそ「お互いを大切にするあったかい職場」を創っていきたい。あきらめないで、できることを一つ一つ取組んでいきたいと考えています。みんなで大いに語り合い、学びあい、育ちあう職場づくりにあなたにも参加して欲しいと願っています。
私が下越病院で働き始め、1年が経ちました。看護師としてこの1年頑張って来られたのは、病棟の先輩看護師の方々のおかげです。
技術に関しては、充実した研修で1年を通して細かく教えていただけます。1回の研修だけではやはり不安ですが、病棟ではエルダー(4年目以降の看護師)が教えてくれます。エルダーだけでなく、病棟の先輩方皆さんが丁寧に教えてくれるため、始めは苦手と感じる技術も少しずつ1人でできるようになります。また、学習会にも参加し、病棟では学べないことを勉強し知識をつけることができます。現在も自分の苦手な技術・行ったことのない技術を病棟のみんなが分かるように掲示し、技術の向上を目指しています。
働き始めた頃はなかなか仕事に慣れず続けていけるのかと不安に思うこともありました。しかし、病棟ではプリセプター(2年目の看護師)が新人の心のサポートとして、仕事の相談に乗ってくれたり、悩みも親身になって聞いてくれたりして、とても心強く支えになりました。プリセプターだけでなく、上司や他の先輩看護師も話を聞いてくれて、とても仕事のしやすい環境です。
初めは毎日不安でいっぱいでしたが、病棟全体で厳しくも優しく教えてくれて成長することがきます。みなさんと一緒に下越病院で働けることを楽しみにしています。
私が下越病院 に就職して1年が経ちました。最初の頃は、1日のスケジュールを行うだけで精一杯でした。病棟に配属になってからの初めの1週間は本当に長く感じました。 日々勉強しなければいけない事が多く、次の日仕事に行くとまた更にわからない事が増えて、やる気はあるのに出来ないことが多く、落ち込むこともありました。
しかし先輩方の優しく丁寧な指導のおかげで、序々に余裕を持って仕事ができるようになり、患者様とも笑顔で楽しく会話する機会が増えてきました。
患者さんとの御家族の関わりの中で、看護師としてまだ至らない点が多くあるにも関わらず多くの方から温かい励ましの言葉をもらいました。
4月からは新しい看護師が配属され1年前の私のように思い、困った時には先輩方のように頼れる看護師でいられるようになりたいと思います。
新人看護師として病棟に配属になってからの最初の1週間は本当に長く感じました。日々勉強しなければならず、次の日仕事に来ると更にわからないことが増えてやる気はあるのにできないことが多すぎて落ち込むこともありました。そんな時、学生の時代の'看護師になりたくてあんなに頑張った日々'を思い出して必死で頑張り、あっという間に1年が過ぎていました。
看護師として働く中で、患者さんとの関わりは言葉では言い表せないほど、たくさんの事を学ばせてもらいました。入院中なんらかで寂しい思いをしている患者さんの心に寄り添い、しっかりと耳を傾けられる、笑顔の素敵な看護師が理想です。
今年は2年目の役割として新人看護師のプリセプターとして、相談役として関わります。私自身、新に学ぶこともたくさんあると思います。病棟では明るく、楽しく、優しい先輩方が親身に1つ1つていねいに教えてくれます。そんな病院で、一緒に働きましょう。