「医療社団法人 根岸病院」紹介ページ

HOSPITAL INFO ナース版

vol.40

医療社団法人 根岸病院

URL
http://www.negishi.or.jp/
住所
〒183—0042
東京都府中市武蔵野台2丁目12番2号
TEL
042-572-4121
  • 病院の特色
  • 看護部理念
  • 教育プログラム
  • 看護部長からのメッセージ
  • 職場訪問
  • 先輩ナースによるリアルトーク

病院の特色

理事長コメント

 根岸病院は1879年(明治12年)に現在の東京都台東区根岸に創立され、1946年(昭和21年)に東京都府中市に環境精神科医療を考えて、本院を移転しました。開業以来、根岸病院は日本国内の精神科病院のパイオニアとして、患者様の社会生活への復帰を支援してまいりました。精神科に求められる看護とはどのような形なのでしょうか。私たちは、どんなに時代が流れようと精神科看護は「人が人を看る」の一言に尽きると考えます。患者様という一人の人間に対して、診断装置でも薬でもなく、看護師という一人の人間が対峙することこそ、看護の本質ではないでしょうか。そして看護の根幹をなすもの、それはいつの時代にあっても人に対する愛情だと考えています。

基本理念

人のこころをたいせつに
よりよい医業・医学・医療をめざします

根岸病院はより良い病院として、こころの病気を持つ人たちへ誠心・誠意・誠実な精神科医療を提供します。患者様第一に精神保健福祉の普及啓発に務め、地域と協力してこころの病を持つ人たちへのリバビリテーション活動を行い、社会生活が送れるよう援助していきます。

基本方針

  1. 関係法規を遵守して、より良い医療を提供します。
  2. 患者様中心の信頼と安心の医療を提供します。
  3. 開かれた情報と、地域医療に貢献します。
  4. 技術・知識・質の向上を常に心がけます。
  5. リクルーティング活動の充実と人材の育成・活性に務めます。

看護部理念

看護部理念

患者様の心に触れる看護

看護を必要とするすべての人々に最善の看護を提供します。
事故がなく常に安全に療養生活が送れる環境を提供します。

看護部の方針

優しい声かけ、温かな対応
自分の大切な人に入院していただけるような看護部づくり、病棟づくりを心がけています。

教育プログラム

院内プログラム、教育体制

看護部の理念に基づいて、患者様への看護サービスの質の向上を図るとともに、看護の専門性を高め、専門職業人としての資質の向上を図る。

新人教育:3日間、病院および看護の組織、理念、方針を知り、職場に早く馴染むためにスキルを身につける。加えて月3回、年間約30日間の研修が加わる。

現認教育:日常の看護ケアの優先順位や重要性を考慮し、根拠、経験に基づいた判断、行動ができるスキルを身につける。具体的には、各病態の変化を理解し、看護援助ができるようにする。各症状に応じた適切な看護援助が取得できるようにする。救急時に合わせた蘇生法など、適切な技術取得を図る。月平均3回(1研修60分)、30回を超える研修を行っている。看護部のスタッフが講師になり、伝達講習を含めた現認研修を行う。各病棟に学生、新人指導者を配置し、1年をめどに看護技術の項目についてチェックリストを使用して指導している。

院内・院外の研修について

毎年度、教育目標を立て、看護部理念、目標の具現化を目指しており、委員長(看護部長)による人選で、学会、公的機関が実施する研修など、外部研修への派遣を行っている。派遣された看護師は病院に戻ったときに研修内容をほかの看護師に伝達講習することが義務づけられる。これにより、研修内容を十分に把握し、他の看護師との研修内容の共有を図っている。

看護部長からのメッセージ

看護師をめざした理由

 ロマンチックな理由は何もないんですよ(笑)。ただ小さい頃から人の役に立ちたいと思って、刑事か看護師になりたいと漠然と思っていました。それで進学するときに親に相談したら、「警察は危険な職業だから、それよりは技術を身につけて看護師になったら」とアドバイスされて、看護師を選びました。しかし、看護師になってからは迷うことも多く、悩んだことも少なくありませんでしたね。根岸病院に入職してからも、それまで外科系の看護を担当していたので、戸惑うこともありましたが、精神科は他科以上に患者さんとの絆が強く、職業としてだけでなく患者さんを援助したいという気持ちが強くなります。

自分の看護観について

 当院の理念が「人のこころを大切に」でもあり、看護部の理念もそれに添っています。患者様は病気を治すために受診されますが、精神科疾患は完治が難しい疾患の1つです。しかし、受診された患者様が私たち看護師に出会ってよかったと思っていただけるような看護を心がけています。その意味で患者様との信頼関係を築くことが大切ですが、看護師は医師よりも患者様と接する機会も時間も多いので、一人一人の患者様に応じた対応を心がけることが大切だと思います。その結果、 長期入院されていた患者様がようやく退院し、外来を受診しにいらしたときに「頑張っています」と笑顔で話されると、嬉しいですね。
 当院の入院患者様は8割が統合失調症です。治療の進歩により回復され、退院される方も以前に比べれば多くなりましたが、看護の基本は私が根岸病院に入職した頃と変わらないと思います。大切なことは患者様の身になって、よかれと思うことを継続することです。それは日常の小さなことでもよいのです。たとえば「気持ちがいいから歯磨きをしましょう」という言葉かけを繰り返し行うことでもいいんですね。また、患者様にはきっと本人が楽しいと思うことがあるはずなので、それを引き出して、心を外に開かせることも大切です。

ともに働く看護師の人物像について

 明るい人、前向きな方と一緒に働きたいですね。看護師としての知識と技術があることを前提にして言えば、患者様と接するときの「信頼」と「気づき」を大切にしてほしいと思います。日々の患者様の状態、たとえば副作用と思われる症状が出たときの気づき、あるいは生活の中での患者さんの表情や行動の変化に気づき、そこから何をすべきかを展開していくことが大切です。とは言っても、看護師としての知識と技術があれば、精神科看護の経験はなくても大丈夫です。入職後、十分な教育と経験を積むことができますから、明るくて、物事をプラスに考えられる方、精神科看護をやってみたいという方であれば、私たちの職場は活躍の場を用意できると信じています。

今後の展望

 精神科看護の基本が大きく変わることは今後もないでしょう。「人のこころを大切に」という理念は将来も私たちが看護をする上でのよりどころになっていきますが、高い専門性を身につけて、認定看護師あるいは専門看護師を目指して切磋琢磨していただきたいと思います。

看護師として働く方へのメッセージ

 全般的に言えることですが、患者様にいつも笑顔で接するためには看護師自身に余裕が必要だと思います。その意味で、当院はお子さんが病気のときには休める看護休暇制度、夏休みと年始の休みも6日間確保するなど、看護師が余裕を持って働ける体制を取っています。私たちは働く立場に立った労働環境を整えた上で、看護師としての専門性を期待しています。一方、看護師として働く方への一般論的なメッセージとしては、常により高いレベルの看護技術を身につけるよう継続した努力が大切だということですね。

職場訪問

【ストレスケア病棟】
短期間の入院、治療を必要とする方を対象にしたショートステイの開放型病棟です。日常のストレスから解放され、ゆっくり休養できる空間と時間を提供しています。ここから通勤、通学することも可能ですし、プライバシー保持にも特別な注意を払っています。

【高齢者療養病棟】
精神科医と内科医、病棟看護師が力を合わせて治療に取り組みます。そのため、内科的な看護力を身につけることができます。

【急性期治療病棟】
東京都から救急指定病院の指定を受け、精神科救急病院として急性期患者様の受け入れを年間130日以上行っています。また、医療観察法に基づく鑑定入院・通院指定病院にもなっており、多岐に渡る急性期症状の患者様の治療を行っています。平均在院日数も約45日と短く、早期かつ集中的な治療に取り組んでいます。看護師は精神科医療の最前線に身を置くことで、関係法の知識や経験を身につけることができます。

【外来部門】
1日平均患者数約130名です。カウンセリングやセカンドオピニオン、都市型の多様化する精神科疾患に対応できるよう、常勤の精神保健指定医を9名配置し、計16名による外来診療体制を敷いています。

フロアマップはこちら(PDFファイル・パンフレットより抜粋)

先輩ナースによるリアルトーク

伊藤 文男

精神科看護で心がけていることをお教えください。

伊藤:当院は急性期で入院された患者様に対して3カ月程度で退院できるようなキュア、ケアを目指し、退院後は外来でフォローしていますが、当直などをしていると深夜に患者様からSOSの電話を受けることが少なくありません。そのような電話を受けると、患者様は私たちに対してつながりを求めていることを強く感じます。もちろん、連絡を絶ってしまう患者様もいるのですが、私たちは患者様が社会生活の中で疲れた心を癒す止まり木になれるような存在でありたいと思っています。

精神科の専門看護師としてのスキルアップは可能でしょうか。

伊藤:本人の努力次第ですが、日本精神科看護技術協会が定める認定看護師制度などを利用した認定看護師資格取得が可能です。これまでも認定看護師を取得して、地元で認定看護師として活躍している方もおられます。

これから入職される方へのメッセージがありましたら、お聞かせください。

伊藤:人との出会いを大切にしてほしいと思います。患者と看護師という立場を超えて、人間同士のつながりがないとより良い看護はできません。若い看護師にとって患者様は人生の先輩です。患者様一人一人が素晴らしい感性を持っていますので、それを感じ取っていただきたいですね。そのような患者様との出会いを通じて、人間として大きく成長していただきたいし、私たちの職場はそれができるところだと自負しています。

須藤 和宏

中島 潤一

大沢 浩子

看護師になったときから、精神科が希望だったのですか。

須藤:学生時代にはどの科を希望するということはありませんでしたが、色々な科を経験する中で、精神科をやりたいという気持ちが強くなりました。急性期病棟を担当していると、興奮が強い患者様もいて大変ですが、軽快して退院され、あるいは開放病棟に移られるときは私たちも嬉しいですね。状態が落ち着いて、廊下などですれ違ったときに、患者様の笑顔が見られるときなどはやり甲斐を感じます。精神科はルーティンケアばかりではありません。色々な局面があり、その都度、新しい発見があるので、仕事としての面白さはあると思います。

中島:私はもともと精神科を希望していました。私自身、学生時代から周囲と上手に関係性を保てない時期があり、そういう経験から人の悩みを一緒に解決できるような仕事がしたいと思っていました。

大沢:私は学生時代からいずれは精神科の看護師になりたいと希望していました。人とじっくりと関わっていく看護がしたいと思っていたからです。看護学校卒業後、内科での看護経験もあるのですが、内科では点滴やそのほかの処置に追われることが多く、患者様とゆっくり話せる時間が取りたくても取れませんでした。社会復帰療養病棟は長く入院している患者様が多いので、病院が生活の場になっています。そういう患者様と接するとき、私たちは友人になったり、母親だったり、ときには子どもとしてと、色々な立場になってお話をお聞きすることがあります。そういうときには看護師であると同時に一人の人間として患者様と触れ合えますし、私たちにとっても貴重な時間だと思っています。

根岸病院を選ばれた理由、あるいは良い点をあげてください。

須藤:急性期病棟は若いスタッフが多いので、活気にあふれており、人間関係がとても良いですね。それゆえ、他部署との連携もスムーズにいっているのではないでしょうか。急性期病棟の看護師の男女比は男性1に対して女性3くらいです。個人的な意見では男性の看護師がもう少し欲しいなと思いますが、仕事をする上での支障は全くありません。お互いに専門性を身につけた看護師として、尊重し合って仕事ができています。

中島:根岸病院は日本でも精神科診療の歴史が長く、経験豊富な先輩看護師が多いことが理由です。実際に勤務してみて、多くの貴重なアドバイスをいただいています。勉強熱心な先輩、同僚が多いことで、互いに切磋琢磨できるというのも根岸病院の良いところだと思っています。

大沢:根岸病院に限ったことではないのですが、精神科で仕事をしていると、社会生活の中での人との関係性を見直すこともできます。逆に言えば、毎日の生活が仕事にもつながっている側面があるんですね。患者様と接する中で看護師も人として成長できる、それが精神科だと思います。

福利厚生面では満足していますか。

須藤:他院に比べて福利厚生は充実しているように思います。休みが多いことはリフレッシュしたり家族サービスもできるので有り難いです。当院は神宮球場の年間シートを持っており、スワローズファンの私としては嬉しいですね。家族と神宮球場へ行くのが楽しみです。球場でのビールは格別ですからね(笑)。

中島:当院は週休2日制ですが、他院では週休1日、あるいは4週7休、4週6休というところが多いようです。勤務が連続して続くと、精一杯やっているつもりでも、十分なケアができないこともあると思います。しかし当院は十分な休日があるので、日々の看護で消化できなかったところを勉強し直す時間が持てます。仕事を離れる時間ができるので、リフレッシュにもなり、また仕事を頑張ろうという気持ちにもなれます。

大沢:産休も育児休暇もしっかり取らせていただきました。産休は産前が6週間、産後は8週間です。さらに産後1年間は育児休暇が取れます。加えて、子どもが3歳になるまで2時間の育児時短勤務が使えます。そうした休暇や時短勤務が同僚に気兼ねしてとれないことも多いように聞きますが、当院では皆が気兼ねなく取っています。それだけ休んだ人の分をカバーする体制ができているんですね。小さな子どもがいると、突然の発熱など突発的な家庭の事情ができますが、そんなときでも看護部の皆は心よく休ませてくれます。我がことのように心配し、子育てを応援していただける雰囲気があるからこそだと思います。

これから入職される方へのアドバイスをお願いします。

須藤:精神科の経験がないと漠然とした不安を感じるかもしれませんが、実際に働いてみると他科に比べて人間的な触れ合いが多く、やり甲斐の多い職場だと思います。

中島:先生方はじめ先輩看護師の指導を受けて、自分の看護を展開できます。こういう看護はどうなんだろうかというためらいや消極的な姿勢にならずに、自分の看護を自信を持って積極的に展開できるのは、先輩方のアドバイスがあるからこそだと思っています。そういう意味で根岸病院は看護師にとって働きやすく、やり甲斐のある病院です。

大沢:患者様と毎日接する中で、看護師としてだけではなく、人として患者様と接して何かしてさしあげることができて、患者様が喜んでくださるととても嬉しいものです。患者様と心が通じ合う瞬間はかけがいのない瞬間です。社会生活の中でもそういう機会は少ないでしょうし、私は仕事の中で患者様と心を通い合わせる瞬間を大切にしていきたいと思っていますが、入職される方にもそういう瞬間を経験していただきたいですね。

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