vol.162
医療法人社団 青葉会 狭山神経内科病院
当院は戸田中央医科グループ(TMG)に属し、新狭山セントラル病院を前身とする、1985年開設の神経内科専門病院です。グループ共通の理念である「愛し愛される病院」を目指し、患者様のニーズにあった医療を提供できるよう、今日まで地域の方々の健康をともに考えてきました。今後もこれまでの経験を活かし、地域の皆様の幅広いニーズにお応えできるよう、地域に寄り添った病院づくりをしていきます。
医療が日々高度化、複雑化している中、私達は医師、看護師、医療技術部スタッフが一人一人の患者様に対してチームとなり、医療を行うことにより、患者様が安心して医療を受けられる環境を整え、皆様のご期待と信頼に応えられるよう、努力していきます。
理事長 中村 毅
愛し愛されるTMG
生命の尊厳を最大の使命と考え、信頼される病院を目指し、たゆまぬ努力をいたします。
狭山神経内科病院は西武新宿線の新狭山駅から徒歩9分の場所にある神経内科専門病院である。戸田中央医科グループに属し、グループ共通の理念である「愛し愛される病院」を目指して、地域医療に貢献している。現在は神経内科、内科、リハビリテーション科を標榜し、147床の病床を備える。我が国では画期的な専門病院として、神経難病をはじめとする重度神経障害の患者様に長期療養を提供している。
患者の生命と安全を守り、より質の高い看護を実践する。
私達は、
● 患者様の安全を確認し、信頼される看護を行います。
● 患者様の人権を尊重し、QOLの向上に努めます。
● 専門職として自己研鑽し、知識・技術の向上と、人としての向上に努めます。
クリニカルラダー別の教育を行っていますが、病棟での役割とリンクさせていることが特徴です。病棟にはプリセプターがおり、プリセプターは教育委員会のメンバーでもありますから、行き届いた教育体制になっています。新人から指導者を経て、スペシャリスト、ジェネラリスト、管理者などの道を選んでいけます。
新人はクリニカルラダーではIの研修です。1年間をかけて、新人オリエンテーション、難病、記録、人工呼吸器、夜勤、心電図などを研修します。3月にはリフレッシュ研修があり、1年目を修了したときには修了証をもらえます。2年目になると症例発表、3年目は看護研究があります。
看護部としては月に1回の勉強会がありますが、病院全体での勉強会は毎週水曜日のお昼に1時間あります。外部の講師も来ますし、テーマは多彩ですね。TMGグループでの勉強会や看護協会での勉強会にも参加可能です。
新人看護師と同様にプリセプターがつき、1年間、しっかりと指導します。当院の看護師の仕事がほかの病院と大きく違うのは人工呼吸器の管理ですので、最初に臨床工学技士から人工呼吸器の説明を受けます。そして、言語聴覚士のもとで文字盤の読み取りの練習をします。これは当院独自のものなんですよ。文字盤が透明になっていますから、患者様と視線を合わせ、瞬きでコミュニケーションを取っていくんです。患者様とじっくり関わることができます。また、「伝の心」というソフトの使い方など、患者様とのコミュニケーションを取るための意思伝達装置の研修には時間をかけています。
一般的なナースコールだと患者様がボタンを押しますが、当院の患者様はボタンを押せません。そこで息を吹きかけることでナースコールと連動したシステムを導入しています。そういったセンサーなどの取り扱いの研修もあります。
現在、感染管理認定看護師、日本難病看護学会認定の難病看護師が1人ずついます。難病看護師は5年ごとに更新試験がありますが、その更新ができるのは専門病院としての強みですね。病院として、こういった資格取得への支援をしていますし、今も何人かの看護師がチャレンジしているところです。呼吸療法認定士もコメディカルスタッフを含め数人いますが、さらに増やしていきたいと考えています。
技術よりも患者様に寄り添う看護の実践が重要です。患者様がこの病院に入院して良かったと思えるような看護が出来る人材の育成を目指しています。
看護学生の受け入れのほか、多種職と連携して、中学生の職場体験をお引き受けしています。中学生がお見舞いなどに行くのは一般の病院がほとんどでしょうし、当院のような専門病院に来る機会は滅多にないはずです。ですから、意味があると思っています。神経難病の患者様が入院する病院があるのだということを広く知ってほしいので、こちらからオープンにしています。
私が当院に来て2年目になるところですので、院内にとどまらず、地域に入っていきたいですね。当院には訪問看護ステーションがないので、訪問リハビリテーションに看護師を同行させる研修を考えています。院外研修を定着化させたいですね。
10代のときに、保健師が無医村に行って活動するというテレビドラマを見たのがきっかけです。保健師がかっこよく見えて、すごいなと思いました。
私は急性期病院での経験が長く、特に小児科や脳神経外科の病棟で長く働いてきました。患者様が元気になって退院される姿、退院後に「元気になったよ」と挨拶に来られた姿を見てきたことが続けてきた理由ですね。私が新人時代、小児科で看た患者様がお母さんになって、子どもを小児科に連れてきたときは「続けてきて良かった」と思いましたよ。
キャリアを重ね、役職に就くようになると、人材の育成の仕事も加わります。後輩看護師が育っていくのを見るのも楽しいですね。
「患者様に寄り添って」と口で言うのは簡単ですが、実際に寄り添うとはどういうことかを考えると、患者様のご家族以外で一番身近な存在でありたいということです。急性期病院から当院に移ってきたとき、「生きる」という意味を考える機会を与えてもらいました。急性期病院では救命したり、延命することが「助ける」ことですが、当院は最良の最期、QOD(クオリティオブデス)を目指しています。これが本当の「生きる」だと感じましたね。
神経難病をはじめとする重度神経障害の患者様に長期療養を提供する病院です。ほとんどの患者様が話すことが出来ず、身体も動けません。147床の病床がありますが、140台の人工呼吸器が稼働しています。QOLの向上は難しいですが、QOLの維持を目指して、コミュニケーションを図っています。看護師は医師、リハビリテーションのスタッフ、ソーシャルワーカーとチーム医療を行っています。外出できない患者様にも人工呼吸器を付け、ベッドに寝たまま散歩にお連れしたり、菜園を見に行ったりします。「イベント」と呼ばれる企画も多いですね。当院に移ってきてすぐ、「イベント」での音楽会を見たとき、私が最初に泣き出しました(笑)。
24時間の院内保育所があり、平常は15人程のお子さんをお預かりしています。夏休みなどの長期休みの間は施設を拡大します。その期間は小学3年生まで利用できますので、30人を超える子どもたちで賑わっています。院内保育所にも菜園があり、食育も行っています。
独身者にはワンルームマンションタイプの寮があります。病院と新狭山駅の中間にあるので便利な場所ですね。
病院の近くのマッサージ店と契約していますので、マッサージをリーズナブルに受けられたり、お昼の弁当代も病院負担があります。自動販売機の飲み物もお安いんですよ(笑)。院内旅行もあります。
専門性の高い病院ですので、専門的な人材の育成が課題です。患者様にご満足いただける看護ができる体制を整備していきます。日本難病看護学会が認定する難病看護師を各フロアに1人ずつ配置したいですね。また、人工呼吸器を着けている患者様の呼吸器ケアの充実を目指すため、呼吸療法認定士も育成したいと考えています。
難病の患者様相手だと尻込みしてしまう人もいますが、患者様ご本人は明るい方々ですよ。笑うことは難しくても、楽しいという意思表示はできるんです。明るい方に是非、いらしていただきたいです。この病院に入院して良かったと思っていただけるような看護を一緒に目指しましょう。
大変なこと、辛いことの方が多い仕事かもしれませんが、やり遂げた先に感動が待っています。諦めないで、やり遂げてほしいですね。看護の仕事は感動との出会いです。嬉しい、悲しいという気持ちに出会える機会はほかの仕事ではあまりありません。看護師だからこそ出会える感動をこれからも味わっていきましょう。
私の看護観として、患者様と信頼関係を築いたうえでのコミュニケーションを取りたいというものがあります。急性期病院ですと、話せる患者様であったとしても1、2週間で退院になりますから、信頼関係を築くまではいかないですね。結婚後に埼玉県に移ったのですが、埼玉に視覚的なコミュニケーションを取っている病院があるという話を聞き、興味を覚えたのがきっかけです。24時間の院内保育所があり、働くママさんが多いというのも良かったです。
広くて、綺麗な病院だと思いました。患者様も拝見しましたが、人工呼吸器がついているのに、コミュニケーションが取れているのが不思議でしたね。長期にわたって入院されている患者様が多く、長く勤務しているスタッフも多いので、明るく、リラックスできる雰囲気でした。
イメージ以上にいい病院ですね。毎日が充実しています。
朝の申し送りのあとは受け持ちの患者様のところに行き、処置や人工呼吸器のチェック、管理を行います。介助や保清もありますね。経管栄養の患者様がほとんどですが、食事を摂られる患者様も数人いらっしゃいますので、食事介助もあります。午後は検温や、自然排便の患者様が少ないので排泄介助が中心です。
患者様とのコミュニケーションですね。長期の入院患者様が多いので、信頼関係をベースにしたコミュニケーションを大事にしています。どういう患者様で、どんなことを思っているかを知ったうえで、患者様の個別性を考えた看護について、スタッフで話し合っています。
看護師はベテラン、ママさん、新人まで、年齢差がありますが、仲はいいですね。何でも話せる、明るい雰囲気です。子どもの風邪などでの勤務変更も「お互い様」と言ってフォローし合っています。
文字盤などでのコミュニケーション方法や人工呼吸器の使い方はしっかり教育していただきました。また、当院はナースコールが特殊なので、そういった当院ならではのシステムについての研修が中心でした。
プリセプターが必ず1人つきますが、臨床指導者がプリセプターとプリセプティをフォローしています。プリセプター自身も初めて指導する場合が多いので、「こういうことを教えてね」などの声をかけていますね。毎日の進み具合をチェックするのはもちろんですが、面談を通してメンタル面に問題がないかも見ています。
プリセプターが流れを説明しながら、急変時対応のデモンストレーションを1回、行います。通常の夜勤は3人で担当するのですが、最初は新人を含めて4人セットで勤務して、新人に教えていくんです。大丈夫になれば、独り立ちとなります。
人工呼吸器の管理に関してですね。一般的な管理のみならず、人工呼吸器を離脱できず、進行していく中での管理も学べます。外部の研修にも積極的に行かせてくれる病院なので、不足していることや興味があることが勉強できる環境です。
有給休暇は取りやすく、皆でほぼ使い切っているのではないでしょうか(笑)。24時間の保育所もありますので、私は夜勤の日に使っています。そんなに大きいスペースではありませんが、皆と一緒に遊べるので、子どもも楽しんでいますね。慣れている保育士さんがいらっしゃるので、安心して預けられます。
呼吸器リハビリテーションの資格取得のための勉強をしています。患者様を中心に、患者様の個別性を重視した、「馴れ」のない看護師になりたいです。
「待ってるよ」の一言ですね(笑)。当院は人間関係が良く、出勤するときに嫌な気持ちにならないんです。気持ちが病むことがありません。笑顔で真剣に仕事に取り組んでいるスタッフばかりですので、働きやすいのは間違いないです。人工呼吸器の管理は確かに高度ですし、怖いイメージを持たれがちですが、学習の機会が多く、しっかりとしたフォロー体制もありますので、安心して来てくださいね。