「医療法人社団 じうんどう 慈雲堂病院」紹介ページ

HOSPITAL INFO ナース版

vol.92

医療法人社団 じうんどう 慈雲堂病院

URL
http://www.jiundo.or.jp/
住所
〒177-0053
東京都練馬区関町南4-14-53
TEL
03-3928-6511
  • 病院の特色
  • 看護部理念
  • 教育プログラム
  • 看護部長からのメッセージ
  • 職場訪問
  • 先輩ナースによるリアルトーク

病院の特色

院長の挨拶

 当院は1929年の開設以来、精神科医療の草分け的存在として、心病める方々の治療と社会復帰の促進に力を注いできました。また、市街地に隣接する都市型病院として、早くから開かれた精神医療の実践に努め、近年に至ってはハードとソフトの両面にわたる改善を重ね、内科外来診療、デイケア、高齢者ケア、訪問看護など幅広いニーズにお応えする地域医療の拠点病院として活躍しています。
 当院は、現在、精神科急性期医療や認知症への対応に力を入れています。精神科急性期医療への対応としては、予期せぬ急な精神症状の出現や増悪に迅速に対応して治療に導きます。可能な限り、早期の退院を目標にして社会復帰を目指します。また、超高齢社会の到来により要望の高まっている認知症の診断や治療について、専門外来と専門病棟での入院治療でお応えしています。

院長 田邉 英一

慈雲堂病院の理念

「神仏に接する気持ちで患者さまに接する」
創始者・田邉日草の精神に基づき、心身の障害に対し適切な医療と温かな看護を提供することを基本理念とします。

基本方針

  • ・患者さま、ご家族さまの声に常に耳を傾け、治療に反映することに努める。
  • ・患者さまに満足される療養環境を提供することに努める。
  • ・チーム医療を基本とし、職域を越えて医療の質・知識・技術の向上に努める。
  • ・地域の医療・福祉・保健との連携を推進し、信頼される病院づくりに努める。

慈雲堂病院

 1929年に、創設者である田邉日草が石神井慈寮院を開設したのが前身である。場所は東京都練馬区関町南で、現在地と変わっていない。最寄り駅は西武新宿線の武蔵関駅である。1931年に慈雲堂病院と改称し、1936年に東京府代用精神病院の指定を受けて以来、東京都内の精神科医療をリードしてきた病院の一つだ。1973年に病院名を現在のものに改め、1974年からは内科診療をスタートさせた。現在は、精神科、神経科、内科、呼吸器科、消化器科、循環器科を標榜し、入院患者さんのみを対象とした歯科も開設している。最近では認知症専門外来にも力を入れるなど、時代のニーズに合わせて変革を行っている。

精神科デイケア・デイナイトケア

 「外来に通っている」、「退院したばかりで家にいるけれども、何もすることがない」、「働くにはまだ不安がある」、「相談できる仲間がほしい」など、様々な目的を持った方が集まり、一緒に過ごす。触れ合いや活動を通じて生活のリズムを整えながら、色々なプログラムに参加して、新しいことにもチャレンジしたり、趣味を広げることで、より豊かな生活を送れるようにお手伝いしている。

慈雲堂訪問看護ステーション

 1997年3月に開始された。訪問看護ステーションでは疾病や障害を区別することなく、患者さんの在宅での療養生活を支援している。病院からご自宅にお帰りになられた患者さんが地域での生活を安心して続けられるようにお手伝いすることを役割とし、精神疾患で通院中の方、認知症の方などに対して心のこもったサービスを提供している。

看護部理念

看護の質の保証

  • 1.安心と安全を提供できる看護実践に努める。
  • 2.患者様の人権を尊重した対応ができる。
  • 3.専門職として根拠に基づいた看護ができる。
  • 4.固定チームナーシングによる責任と継続性のある看護ができる。
  • 5.地域、他職種との連携を密にし、患者様中心とした地域移行推進を図る。
  • 6.IT化促進、電子カルテ導入後、電子カルテを用いて患者の情報を共有する事で継続的な看護の統一をする。

看護職員個々のレベルアップを図る。

  • 1.個々に合った目標を立て、実践・評価ができる。
  • 2.院内・院外研修へ自主的に参加し、知識・技術を現場にフィードバックし共有する。
  • 3.職能団体へ自主的に入会し、職業意識を高める。

経営効果に努める。

  • 1.ベッド稼働率を上げる。(95.0%、573床以上)
  • 2.日当点を上げる。
  • 3.コストを意識し、適切な物品管理・節約に心がけ無駄を省く。

教育プログラム

看護師教育の特徴

 中途採用の看護師に対しては、経験していない分野を研修してもらえるような年間計画を立てています。新人にはプリセプターがつきますが、中途採用のスタッフは最初の指導を副主任や主任が行います。職員個々のレベルアップを目指しているので、看護協会や日本精神科看護技術協会での外部研修の機会も豊富です。

新人教育の特徴

 最近は新卒の新人採用が増加していますし、定着率も非常に向上しています。入職後は教育委員が入職から3年に渡る計画を立てて、プリセプターをつけています。プリセプターの研修も年に6回行っていますし、病棟の責任者がプリセプターを支えています。
 毎年4月の入職時に他職種も一緒に入職オリエンテーションを受け、看護部職員はさらに2日間をかけて技術トレーニングを行います。エビデンスに基づく倫理観のほか、危険物の取り扱い、患者さんの私物や鍵の管理といった精神科ならではの内容もあります。また、行動制限最小化に向けての取り組みや精神福祉法などの研修を実施しています。

勉強会

 病棟ごとに年間計画を立て、それぞれ病棟の特徴を踏まえた勉強会をグループに分けて行っています。私が所属するA-4病棟では認知症をメインテーマに取り組んでいます。

復職支援

 A-4病棟にも結婚や育児のため長いブランクがあったスタッフがいます。ブランクがある看護師への教育は新人とは異なるプログラムを実施し、看護技術の進歩もあるので、キャッチアップできるよう丁寧に指導します。時には、新卒の看護師が2、3年目で行う研修に入ってもらい、個々の到達度に応じてレベルを上げていきます。ブランクがあって、年齡が高くなっても復職しようとするわけですから、そのような方はとても強い意欲を感じます。

教育にあたって心がけていること

 精神科の病院は一般科の病院とは違う特徴を持っていますので、それを踏まえたうえで教育するということがまず挙げられます。ブランクが長い人、急性期病院しか経験したことがない人など、背景も様々ですが、聞く側が理解しやすくなるような体制を作ろうと心がけていますね。私は、スタッフ一人一人が理解した上で仕事を進められるように、自分が分からないことは「分からない」と言えるような雰囲気にしたいと思っています。
 病棟のスタッフには「皆さんは、認知症の患者さんのことを分かっているプロなのだから、表面上だけ接することは止めて、心から相手を思って関わっていくように」と指導しています。技術は訓練次第で何とかなりますが、患者さんやご家族との関わり方、コミュニケーション能力の向上をより重視しています。患者さんやご家族に心を込めて接し、自らがスタッフの範となるよう努めています。

教育部門での新展開

 教育委員の一人として関わってきた新人教育の形が、最近では“はっきり”見えてきました。今後は中途採用の方やブランクの長い方の教育体系を作っていかないといけません。すべてのスタッフの「質の向上」が果たせる教育体制を作りあげていきます。

看護部長からのメッセージ

看護師を目指したきっかけ

 高校受験を目前にした中学3年のとき、父が病気にかかり、経済的な理由から定時制高校へ通うことにしました。昼間は病院に勤務することになりましたが、その病院の院長先生から看護の道を勧められ、父の病気を知るためにも役立つとの思いから、准看護師の学校へ通い、資格を取りました。
 その後、結婚、子育てをしながら看護師資格を取得し、精神科、脳神経外科、手術室、母性、看護教員などを経験しましたが、看護の道を選んで良かったと思っています。

看護師を続けてきた理由

 「辞めたい」と思ったことが一度もなかったことが看護師を続けてこられた理由ですが、不規則な看護職の仕事に対する家族の理解と協力があったことが一番大きいですね。心身ともに健康で仕事に前向きに取り組めたことと、何度か職場は変わりましたが、模範となる先輩看護師が多く、遣り甲斐を感じることが多かったからだと思います。

自身の看護観

 看護師として知識や技術を身につけたうえで、患者さんに優しく、思いやりを持って、相手の目線に立って接することが大切だと思っています。今までの看護の中で自分の発する「一言」が重要な意味を持つものであることを感じたことがあります。
 印象に残っているエピソードがあります。東京慈恵会医科大学附属病院の産婦人科病棟に勤務していたときのことです。60歳代の患者さんが「手術するぐらいなら、死んだほうがましだ」とおっしゃられ、拒否的な発言が見られました。私は4年間、手術室に勤務した経験をもとに「今は90歳の人でも手術をする時代です。手術ができるということはまだまだ生きられる、働けるということですよ。手遅れの場合は手術もできないんです」と説明すると、その患者さんは「暗い気持ちになっていたけれど、手術を受ける勇気が湧きました」とおっしゃってくださり、手術に臨みました。
 女性の患者さんの多くは、入院されると自分のことよりも家に残してきた幼い子どものことや家事のことなどを心配されて、ベッドで泣かれる方もいらっしゃいます。その都度、入院にしたことによって家族の絆が強くなることや患者さんの存在や有り難みが分かることなどを話して励ましたり、安心して手術を受けられるように関わってきました。

慈雲堂病院の特徴

 精神科を中心とした603床の病院です。病床数の内訳は一般病棟が30床、認知症病棟は3つあり、合わせて154床、精神科病棟が419床となっています。多くの病床を有することから、様々な症状、様々な年代の患者さんがいらっしゃいます。現在は電子カルテの導入により情報を共有し、より質の高い看護を目指しています。
 今後は認知症ケアのニーズがさらに増えてくると予想しています。認知症は本人はもちろんですが、ご家族との関わりが多く、ご家族もサポートしていかなくてはいけません。実際に患者さんと日々接していないと大変さがわからないのですが、周囲から「軽い症状なのに入院させた」などと言われて、傷ついているご家族もいらっしゃるので、その気持ちを受け止めることも大切です。
 また、患者さんのご家族が、認知症であることを周りには知られたくない場合もあります。ご主人が認知症になったことを奥様が周囲には知らせず、奥様が倒れてしまったときに大慌てになるケースもありました。認知症は恥ずかしいものだという風潮はまだあります。当院では公開講座で認知症を積極的に取り上げたり、悩みのある方の看護相談を受けたり積極的に関わっています。

看護部の教育

 院内の勉強会はもちろん、院外研修にも積極的に参加しています。最近は8つの看護学校の臨床看護実習を受け入れていますので、実習指導者の育成には力を入れています。実習指導者研修は年に4クールありますが、当院では病棟の調整をしながら自薦、他薦を含めて毎年3名ずつのペースで研修を受講しています。これにより、実習生への理解が深まり、根拠のある指導方法が身につくため、実習生を受け入れる際も自信を持って指導しています。看護の質が向上する、良い機会になっています。
 また、現在、当院にはCNS(専門看護師)が1名、来年はさらに1名増える予定です。認知症看護認定看護師1名、精神科認定看護師(退院調整:2名)(精神科身体合併症看護:受講中1名)となっており、専門看護師を目指す人が増えつつあります。
 病院全体・病棟単位それぞれで研修を通じたレベルアップのほかに、外部講師を招いて研修や講習会を実施するなど、職員が「新しい知識の獲得」と「看護技術の向上」が図れるように多くの機会を作っています。

福利厚生

 子育てしやすい環境づくりを行っています。例えば敷地内に保育室があるので、安心して働くことができます。多くの看護師がお子さんを預け、中には兄弟(姉妹)すべてが当院の保育室で育ったという方もいます。また、看護部は人員的な余裕を持っていますので、お子さんの病気などにより職員が急な欠勤となっても、人員がすぐに不足するということはありません。これは休む側にとっても、その職場の他の職員にとっても、ありがたいことだと思います。この人員の確保は院長の方針でもあります。 勤務時間ですが、当院は残業時間が少なく月に数時間あるか、ないかではないでしょうか。お子さんの迎えの時間を気にしながら、仕事に追われるようなことがないです。

今後の展開

 最近はかなり軌道に乗ってきましたが、看護部として発信したものが病院内にさらにスムーズにきちんと伝わるような運営をしていきたいと心がけています。たとえば人事制度の導入です。これを受け入れるのには時間がかかるでしょうし、皆が柔軟に受け入れ、納得するまでは大変でしょうが、各病棟に適切に伝えていきたいです。

ともに働きたい看護師の人物像

 患者さんへの様々なアンケート調査によりますと、看護師に求められている中での上位は「優しさ」だそうです。当院も、優しく、思いやりのある看護師の育成に力を注いでいます。どんなに上手な看護技術を持っていても、怖い人ではいけません。患者さんの命に関わる仕事ですから時に厳しさも必要ですが、優しい人である必要があります。笑顔があって、平常心で働ける好感度の高い人を求めています。

看護師として働く方へのメッセージ

 当院は保育室もありますし、転職してくる看護師にも長く働いてほしいと思っています。「精神科のことなら任せて」と言えるぐらいの高い技術や知識を身につけてほしいですね。日本精神科看護技術協会や看護協会の資格もありますので、スキルアップに繋げてほしいです。一つの領域を極めると、自信を持てますし、いい看護に結びつきます。
 精神科には長期に渡って入院する患者さんも多いので、長く勤務している看護師を見ると、安心に繋がるようです。再入院となった場合も、知っている看護師がいると「良かった」と言われますね。そういう患者さんのためにも、いい看護師を目指してください。それが結果として、病院の質を向上させます。
今年、当院ではグループホームを立ち上げ、患者さんの自立を目指す取り組みをしており、長期入院の患者さんの退院が増加傾向にあります。アウトリーチは国の政策でもありますし、患者さんがアパートを借りることなどもサポートして社会復帰を応援しています。
 当院には60歳を越えてから退院支援や認知症看護の資格を取った看護師もいますし、60歳を越えて国家試験に合格した看護師もいます。その方から「今までは子育てもあって、なかなか時間が取れなかったけれど、ようやく時間もお金も少し余裕が生まれたので、看護師資格を取得した。」と聞きましたが、意気込みが違いますね。また、10年以上准看護師で働き、看護師を目指すために通信制の学校に通う人も増えてきました。今年も看護学校を受験する人が6人います。中には、午前は当院勤務、午後から准看護師の学校に通学している50歳近い看護助手もいます。そのような努力・頑張りに対しては、病院としても様々な面から支援しています。

職場訪問

先輩ナースによるリアルトーク

慈雲堂病院に入職を決めた理由をお聞かせください。

荻原:奨学金など、学びたい人への支援システムが充実していることで選びました。看護学校の授業料を全額負担という病院は珍しかったですね。7年間、当院での仕事と看護学校での勉強を両立させました。2011年に看護師の資格を取得しましたが、看護助手として働いていた時とはケアの内容も違いますし、自分の担当する仕事の責任の重さをこれまで以上に感じています。

慈雲堂病院でのお仕事はイメージ通りですか。

荻原:仕事というよりも認知症に対するイメージが変わりました。これまでは認知症の方は徘徊したり、「何かがなくなった」と言ったりといった固定観念があったのですが、実際は落ち着いていらっしゃる方が多いですね。もともとの性格が穏やかな方は認知症になられても穏やかです。先輩方はそういうもともとの性格や人間性を引き出せるような関わり方をされているので、勉強になります。

現在のお仕事の内容を教えてください。

荻原:A-4病棟に勤務しています。A-4病棟は57床で、認知症の慢性期病棟です。寝たきりの患者さんのケアが中心です。食事や排泄などのお世話が主な仕事ですが、病態の急変も時にあります。働きはじめたころは人が亡くなることに慣れていなかったので、辛かったのですが、先輩方の助けを借りて、終末期の患者様のケアを大切にできるよう気持ちを切り替えています。

お仕事のどんなところに遣り甲斐を感じますか。

荻原:ご家族やご遺族の方から感謝の言葉をいただくと、仕事をしていて良かったなと思います。患者さん同様、ご家族とのコミュニケーションが大事ですし、万が一、患者さんが亡くなったとしても、ご家族から「この病院で過ごせたことは良かった」と言っていただけるようなケアをしたいと思っています。新人時代は自分のすべき仕事で精一杯でしたが、経験を積み余裕ができてきましたので、患者さんに踏み込める看護が楽しくなってきました。

病棟の雰囲気はいかがですか。

荻原:明るいですし、チームワークのある職場ですね。知らないことや未熟なこと、人間ですからミスが出ることは誰にでもありますが、病棟の全てのスタッフがそれぞれの知識や考え方を持ち寄って互いにフォローをし合えています。

慈雲堂病院に入職したとき、どういう研修があったのですか。

荻原:座学では「認知症や統合失調症などの講義」や「拘束や隔離といった法律の講義」が中心でした。また、医師から「病理学についての講義」もありました。当院は高齢の患者さんが多いので、「肺炎や腎臓障害、肝臓疾患などの講義」を受け、観察のポイントを習いました。医師からの講義は病棟に配属後でしたので、とても分かりやすかったですし、教わったことをすぐに病棟で活かすことができました。

思い出に残っている研修はありますか。

荻原:認知症についての研修です。二人の病棟師長が認知症の患者さんになり切ってのロールプレイをしてくれました。病状を熟知しているだけあって二人の演技がものすごくリアリティがあるんですよ。患者さんの行動や表情に応じて自分がどのように看護したら良いか、その演技力に引きこまれ、研修内容はきっちり憶えています。

配属先の病棟では、どういう新人教育を行うのですか。

荻原:入職して1年間はプリセプター制度による研修を行います。私も現在、二人の新卒看護師のプリセプターをしています。最初の3カ月間は1カ月前にシフトが出た時点でスケジュールを立てます。「この日に初めて薬当番をする」とか、「この日に初めて入浴介助をする」といった感じですね。そして立てたスケジュールを皆で確認して、前日やもう少し前の日にほかのスタッフに「ご指導を宜しくお願いします」と声かけをします。酸素ボンベの位置など、新人用のチェックリストがありますので、それを見ながら確認しています。

プリセプターとして新人に指導する際に気をつけていることはどんなことですか。

荻原:新人とは言え、社会人経験が豊富なのでプリセプターの私よりもしっかりしていますね(笑)。私としては新人が「これをやらなきゃいけない」と義務感から仕事をすることがないように、それぞれの個性や性格によって伝え方を変えています。自信を持って仕事ができるようになるまでには個人差がありますし、自信の持ち方自体も人それぞれですので、長所を見ながらフォローしています。
 ゆっくりしたタイプの人は時間に煽られず、広い視野で物事を考えることができますので、こちらから「どうなった」と確認することが多いですね。てきぱきしたタイプの人は常に先を見ているという長所がありますが、急なことが入ってくるとペースが乱れてきたりしますので、患者さんとのコミュニケーションが荒くなったりしないように皆で気を配っています。
 新人看護師は自分の鏡のような存在です。二人が患者さんと目を合わせ、丁寧なコミュニケーションを取ったり、早口にならないよう、ゆっくりと話しかけたりしている姿を見ると、仕事をする上で大切なことを思い出しますね。プリセプターになったことで、私自身の看護も変わってきました。

慈雲堂病院での勤務で、どんなことが勉強になっていますか。

荻原:認知症ケアや高齢者医療についてですね。高齢者は風邪をこじらせて肺炎になったり、寝たきりになったらすぐに褥瘡ができたりしがちです。また、関節の拘縮なども出てきやすいんですね。そういったケアとADLの維持をいかにバランスを取っていくのかについては勉強になっています。

福利厚生などはいかがですか。

荻原:病院の北側の敷地内にある寮に住んでいます。雨や雪の日でも、屋根のあるところを1、2分で通える距離なので、便利ですよ。6畳のワンルームなのですが、キッチン、バス、トイレのほか、収納スペースが広い点、防音がしっかりしている点が気に入っています。自己負担は2万4千円から3万円で、看護師のほか、作業療法士をはじめ他職種のスタッフも住んでいます。寮生同士の仲も良くて、皆で食事会を開いたり、スノーボードに行ったりしています。西武新宿線の武蔵関駅からは15分ほど歩く距離ですが、すぐ近くにバス停があり、吉祥寺や荻窪、大泉学園などに行くことができます。吉祥寺までは15分ほどですから、すぐに中央線や井の頭線に乗れるので便利ですね。
 また、奨学金も充実しています。私自身も授業料を貸代していただいたので、看護学校に通うことができました。

将来の目標をお聞かせください。

荻原:プリセプターになってようやく、自分が新人だった時は、先輩方にフォローされてきたのだということがわかりました。改めて、自分自身が知らないことや分かっていないことを認識できましたので、これから吸収していきたいです。そして、より責任感とリーダーシップを持てるよう努力します。看護の仕事はチームワークが本当に大切ですので、キャリアにふさわしい仕事ができるように頑張ります。

慈雲堂病院に入職を考えている看護師さんや看護学生にメッセージをお願いします。

荻原:スタッフが和気藹藹としており、病棟内はもちろん、他の職種ともコミュニケーションが取れる病院です。精神科の患者さんや身体的な合併症のある患者さんのことがいい雰囲気の中で学べますし、福利厚生面でも働きやすいです。当院は定年が65歳の最終日なので、ほかの病院で活躍されたあとで当院に移ってきた人たちも多く、特に外科や整形外科などの急性期病院からいらした先輩方の経験談を聞くのは勉強になりますね。看護師を目指す人には様々な面から支援もありますし、看護学校受験や実習、国家試験対策など、若い看護師が多いので相談できる機会が豊富です。私の病棟は皆が知識を出し合いながら仕事をしている、自慢の病棟ですよ(笑)。ご自身の看護に自信がない方でも研修や教育が充実しているので、是非、いらしてください。お待ちしております。

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