Vol.1【部下をもつ人の心がまえ(上)】看護師の職場でも活かされる!

平岩裕子の離職防止コラム【職場働きやすいをつくるリーダー力】

Vol.1  部下をもつ人の心がまえ(上)

やまとなでしこ塾の平岩裕子です。
今回からこちらのページで連載させていただくことになりました。現在は接遇マナー研修講師をしております。
前職で医療関係のコンサルタントに就いていた経験から医療機関での研修を主にさせていただいております。
やまとなでしこ塾では、日常の立ち居振る舞いや言葉遣いなどを通して自立型思考を身に付けていき、夢を叶える生き方を皆さんと共に学び合っています。
こちらのページでは、私自身がメンタリングを学び、実際に職場や人間関係において自立型思考を実践し体得した事や、多くの看護師さん達と関わらせていただいて感じている事を書かせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

「働きやすい職場をつくるリーダー力」このテーマにした理由は2つ

クライアント先の看護部長や教育担当の方とお話していると「人材育成」「離職防止」「人間関係」など何かしら「人に関する問題」に直面し、様々な手法を取り入れ試行錯誤しているのに、思うような結果や効果が表れないと相談を受ける機会がとても多いということ。
そして、接遇マナー研修では実体験に基づくマインドの部分にも触れており、研修後アンケート結果からニーズが高いと感じている為です。
とてもシンプルですが、人との関わりの中で大切にしておきたいこと。誰でも実践できるようなことばかりですので、何かしらお役に立てれば嬉しいです。

先日ある大病院の教育担当の看護師が「研修カリキュラムにコーチングのスキルを織り交ぜていただけませんか?」とおっしゃいました。理由をうかがうと「3~5年目の後輩指導で悩む看護師達に、コーチングのスキルを覚えて使ってもらいたいのです。」とのこと。

もちろん、知識を得ることは素晴らしいことです。ただ、スキルを身に付けると人材に関する問題が解決すると考えてしまうと、かえって困難になる場合があります。
日々色んな出来事が起こる現場で、どんなに沢山の手法を駆使しても解決はしません。テクニックだけに依存していると、どんどん新たな手法が必要になってしまい、いつまでも正解は出ないのです。

人材をテーマにした問題は、正解を出すテクニックがなく、すべてケースバイケースの状況に対応することになります。それに、手法やテクニックで何とかしようとすれば人材育成は余計に難しくなります。

少し話が変わりますが、例えば、ある男性からデートに誘われました。美味しすぎて予約のとれないレストランで、幻の限定デザートまで満喫、うんうんと話を聴いてくれて、至福の時を過ごし、なんて素敵な男性なのだろうと余韻に浸っていました。しかし、すべてが本に書かれたテクニックで、単にそのまま実践しているだけだったと発覚したら、あなたはどう思いますか?
私なら、美味しいお店で楽しい時間を過ごせたことはラッキーと思いますが、相手に対しては少し複雑な気持ちになりますし、言動一つ一つに本人の言葉なのか?など疑う気持ちが芽生えていると思います。これは極端な例え話ですが・・・。

職場での悩みを信頼できる先輩に打ち明けて「その気持ち、すごく分かるよ」って言ってくれて心が救われました。しかし、その受答えは、「こう言ったら相手は心が救われると感じる」という単なるテクニックとして使ったと知ってしまうと、とても残念な気持ちになります。
人と人の関わりの中で、テクニックを使われていると相手が思えば、かえって不信感につながりかねません。

手法として理解し実践している限り、人に関する問題はつきまといます。
人材育成も、人と人との関わりです。人には心がありますので、心から接することが根本になくてはなりません。

では、どうすればいいの?ということですが、まずは根本的な考え方を見つめなおして見ましょう。人と人との関わりにおいて、人材育成とは何かをとらえる必要があります。

人材育成を人と人との関わりと捉えると、上司が常に正しくて部下が未熟であるという意識は要りません。
正しいことを教えれば人は育つのでしょうか?
もしそうなら「思いやりのある人になりなさい」と教えるだけで皆が思いやりのある人に育つということになります。そして、教えても人が育たない場合もあれば、教えなくても人が育つ場合もあります。

人を育てるために認識しておくべきことは「指導」と「育成」です。自分が今「指導」するのか「育成」するのかを判断することが人材育成での大切なポイントになります。

人材育成も、根本は人と人の関わりです。忙しい現場ではつい忘れてしまいがちですが、相手にも心・事情があることを認識し、お互い様の気持ちで関わりましょう。

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プロフィール

平岩裕子やまとなでしこ塾主宰。
短期大学卒業後、大手百貨店に就職、人材コンサルティング営業、国際線客室乗務員、美容系サロンマネージャーなど、さまざまな角度から人と接する現場経験を積む。
「マナーは方法ではなく心を伝えること」を念頭に、現場経験を活かした実践事例に基づいた講演は、幅広い年齢層の女性からの共感・支持を得ている。
やまとなでしこ塾他、企業や公的機関、医療機関でのマナー講座、接遇サービス研修などを実施している。

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